プロ雀士コラム

プロ雀士コラム/第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦  プロ雀士準々決勝A卓レポート ケネス徳田

『第6回麻雀トライアスロン』もついに予選が終了。
ゲスト雀豪は予選各卓から1人ずつ計4名が準決勝に、そしてプロは各卓から上位2名ずつ計8名が準々決勝へ進む。
6月14日に行われたのが「準々決勝A卓」であり、予選A~D卓を勝ち上がった前原雄大、山井弘、和久津晶、前田直哉の組み合わせ。
ここまで来ると誰が勝っても負けてもおかしくはない。まさにトライアスロンのキャッチである「知力、体力、時の運」次第で結果が大きく変わることも…。

100

 
 
★東風戦(順位点5-15)
「東風戦で様子見」はすでに過去のセオリー? と言わんばかりに10巡目で北家・和久津、カン五筒待ちのタンヤオ・イーペーコーを即リーチ。
四万四万三索四索五索五索六索七索四筒四筒五筒六筒六筒  ドラ一万
そしてカン三筒待ちで追っかけるのが東家・山井。
三万四万五万六万七万八万八索八索二筒四筒九筒九筒九筒
この対決はアマゾネスに軍配が上がる。自ら五筒をツモって2,000・4,000。

100

東2局、またも和久津が主導権を握る。わずか4巡目にポンテン。
一万二万三万一索二索三索六索六索中中  ポン西西西  ドラ三筒
だが、このシャンポン待ちが山に深い。その間に東家・前原が追いついて9巡目にリーチ。
二万三万三万四万四万五万六万七万四筒四筒五筒六筒七筒  リーチ
同巡、南家・前田。

100

前巡、メンチン狙いで落とした五万を引き戻す。
この五万はもちろん前原の当たり牌であるが、ここは打一索五万を使いつつ前に出る。

100

現物を抜いて手を壊すのではなく、比較的安全牌を切りながら前進。
そして最終的に
二索二索四索四索五索五索七索七索八索四万四万五万五万  ロン八索
七対子のテンパイを入れ、前原から3,200のアガリ。
東3局、東4局と連続して山井がアガる。

100

しかし裏ドラが乗らず1,300・2,600まで。前原のリーチ棒を入れても和久津に200点届かず2着まで。
東風戦成績
和久津+20.4P 山井+10.2P 前田▲6.1P 前原▲24.5P
 
★半荘戦(順位点10-30)
東2局の攻防が勝負を決定づけたかもしれない。誰も早い手はおらず終盤までもつれ込む。
最初にテンパイが入ったのは北家・前田。12巡目に
四万四万一索三索四索五索六索三筒四筒五筒中中中  ドラ二筒
カン二索待ちだが、場に高いのがソーズ。特に西家・和久津が次巡にメンホンテンパイ。
二索三索四索五索六索七索八索九索東東西西西
一方、南家・山井はピンズのメンホン1シャンテンだが…

100

和久津の当たり牌の一索を掴んでしまう。が、ここで打七筒とし一索を止める。
逆に、前田がツモ七索で詰み。もちろんテンパイを崩せば放銃回避だが、高目の一索で12,000の打ち込みとなってしまった。
この一索を止めた山井は内心でニンマリしたかどうかは本人のみぞ知る所だが、次局東3局での倍満ツモでは間違いなくニッコリ。
六万六万七索七索一筒一筒三筒三筒六筒八筒八筒西西  リーチ ツモ六筒  ドラ六万  裏西

100

東風戦上位の和久津・山井が半荘でも上位に来ると下位2人は厳しくなる。
それを阻止すべく前原が奮闘。東4局では一発ツモで1,300・2,600。

100

そして南2局の親番、苦しみながらも3本場まで連荘し4万点まで浮上しトップ目の山井を追う位置までつける。

100

だが、この半荘を制したのは…和久津だった。オーラス、親番で

100

ここから打五索で七対子に決める。すると次巡に六索を重ねて二筒タンキでリーチ。そして16巡目にツモアガリ。
二万二万五万五万四索四索六索六索二筒四筒四筒五筒五筒  リーチ  ツモ二筒
この4,000オールで一撃トップ逆転。東風戦に続いて2連勝となった。

100

半荘戦成績
和久津+42.5P 山井+21.5P 前原▲7.4P 前田▲56.6P
半荘戦終了時
和久津+62.9P 山井+31.7P 前原▲31.9P  前田▲62.7P
 
★三麻戦(順位点10-20、5万点持ちスタート)
苦しい立場の前田、前原。挑戦権獲得のバトルが東1局から。7巡目に南家・前原が先制リーチ。
赤五索六索一筒一筒一筒二筒三筒四筒四筒五筒六筒南南  リーチ  ドラ七索
同巡、西家・前田も追っかける。
四索四索六索七索七索八索九索赤五筒六筒七筒八筒八筒八筒  リーチ
決着は一瞬。前原が一発でドラの七索をツモアガって6,000オール(跳満)
だが次局東2局では前原から前田が満貫のアガリ。

100

トライアスロンの三麻戦ルールでは、親は子の1.5倍のアガリ点はあるが、親カブリは存在しない。
そのため親が圧倒的有利、つまり三麻戦での勝ち方は親番でいかに連荘するかにかかっている。
そのため一度親番を手放してしまうと…

100

他家の親番で大物手をアガられてしまう。
大トップの欲しい前田・前原はいかに和久津・山井の連荘を阻止し、自分の親番で稼ぐかが逆転の手段。
だが、一度はアガれても二の矢、三の矢が放てず。西4局では全員1万点差の僅差。
だがこの西4局で役満が!

100

トータル上位の山井がトータル下位の前原から国士無双!
プロ卓初の役満がこの対局の決定打となった。
半荘戦終了時
和久津+62.9P 山井+31.7P 前原▲31.9P  前田▲62.7P
三麻戦成績
山井+48.6P 前田+19.1P 和久津▲8.5P 前原▲60.2P
最終成績
山井+80.3 和久津+54.4  前田▲43.6 前原▲92.1
 
プロ準々決勝A卓勝ち上がり 山井弘 和久津晶
 
第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦~ゲスト雀豪準決勝~
7/12(日) 18:00~

100