プロ雀士コラム

第5回ヨーロッパリーチ麻雀選手権レポート~後編~ 山井 弘

6月21日

 

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さて、大会初日です。やや肌寒く、空気は透き通っていて気持ちのいい朝です。
ホテル近くのこの駅から電車で移動して2駅のところ、s-Hertogenboschという街に移動します。

 

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これが大会会場です。

 

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到着するとすぐに地元のメディアから取材を受けました。

オランダのローカル新聞の記事です。
{何が書いてあるか分かりません・・・}

参加数はヨーロッパ各地などから140名が集まり、3日間で半荘12回、毎回組み合わせを変えて打ち、そのトータルで競います。
ルールはWRCルールとほぼ一緒なのですが、7,700や11,600があったりダブロンがあったりします。
卓は35卓すべて手積み卓です。時間打ち切りは75分+1局と少し長めです。ちなみにフランスやラスベガスはもっと長くて90分でした。

1回戦開始前にオープニングセレモニーがありました。

 

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主催者からの挨拶や審判員の紹介、そして多分、この街の市長さんみたいな方の挨拶。ともたけさんと私も壇上に上がって紹介を受けました。
一番びっくりしたのは、左から3番めの日本人の女性のかたなのですが、何とこのかた「在オランダ日本国大使館 公使」で貴島善子さんというかたです。
日本の大使館からご挨拶にきてくださるなんて凄いですよね。ありがとうございました。

そしてオープニングセレモニーのあとはいよいよ1回戦スタートです。

 

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初日は半荘4回戦で、2日目は5半荘、3日目(最終日)に3半荘となっています。
そこで私が立てた作戦は2日目勝負!!でした。日本の麻雀のレベルは海外と比べると高いと言われていますが、さすがにこの人数で上位に行くのは容易ではありません。
初日は自分の調子や相手(全体の)の打ち筋を見極めようと思いました。もちろん叩けるときは叩きに行くつもりです。

 

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1回戦成績 
ともたけ+27.7P 山井+28.0P

2人揃ってトップスタートと好発進です。

海外の試合は朝が早いです。今回も1回戦の開始が10:45で終了後にランチタイムがあります。
日本の大会のように、お昼の休憩はあっても20分とかではありません。たっぷり1時間はあります。

 

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このようなパンがいっぱい並べられていて、自分で好きなものを何個食べてもいいようになっています。とてもワクワクしました。
飲み物もコーヒー、紅茶、オレンジ、アップル、牛乳など豊富にあります。サービス満点。

 

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選手みんなで楽しそうにランチタイムです。もしかして、「こんな手だったら何切る?」とか「あのときドラ切らなければなあ・・」なんて麻雀の会話を楽しんでいるかもです(笑)
そしてともたけさんも写っているの分かりますか??

 

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大会会場の横では色々な麻雀関連やオランダのお土産みたいなグッズが並べられています。

 

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今回、日本から2名派遣した件について、森山会長から手紙を預かってきました。
渡した手紙が大会会場に張り出されていました。日本語の原文と英語に訳されたものと2枚あります。

長いランチ休憩も終わり2回戦です。

2回戦成績/終了時
ともたけ+13.7P/41.4P 山井+13.7P/41.7P

2人とも2着でした。そしてここでも20分の休憩です。

 

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各回の休憩ではこのようなデザートなどが用意されました。
本当にこの大会を色々な角度で楽しんで貰おうという、大会主催者の気遣いが感じられました。

3回戦成績/終了時
ともたけ+25.4P/66.8P 山井▲26.9P/14.8P

ともたけさん好調のトップ、山井痛恨のラス。

4回戦成績/終了時
ともたけ▲10.9P/55.9P 山井+28.5P/43.3P

ともたけさん3着の山井トップで初日を終えました。2人ともまずまずの成績といったところです。
終了後には選手や関係者のみなさんで会場近くの中華店に移動して、懇親会が開催されました。
完全に楽しみ過ぎて写真は取り忘れました。すいません・・・

ホテルに戻るころにようやく陽も落ち始め暗くなってきました。
さあ、明日は勝負です!!

6月22日
この日も少し肌寒い朝でした。大会会場へ選手たち数名で移動。

 

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5回戦成績/終了時
ともたけ+0.3P/56.2P 山井+42.5P/85.8P

ともたけさん23位で私は11位まで上がってきました。

6回戦成績/終了時
ともたけ+26.2P/82.4P 山井+23.8P/109.6P

6回戦でジェマと対戦しました。トップはジェマに取られてしまいましたが2着をキープ。しかも大きめの2着だったので少しポイントも伸ばして7位まで浮上。
ともたけさんはトップで18位まで浮上。さあエンジンがかかってきました!

次はランチを挟んで7回戦です。

7回戦成績/終了時
ともたけ▲12.7P/69.7P 山井+50.1P/159.7P

私は大きなトップを取ることができ、これまで首位を走っていたロシアのVladimir Nadanyanさんがここでマイナスしたため、私がトータル首位に!
きたかー!!
ともたけさんは3着でやや後退。

8回戦成績/終了時
ともたけ▲36.0P/33.7P 山井▲9.8P/149.9P

9回戦成績/終了時
ともたけ+74.2P/107.9P 山井▲3.1P/146.8P

私はこの8回戦と9回戦がかなり惜しい3着でした。
特に最終戦は、マイナスしているところから盛り返して、オーラス親でツモれば4,000オール確定で、これをアガればトップのリーチまで漕ぎ着けたのですが躱されて3着。
アガることができれば2日目終了時を首位で通過することができたのですが残念。
しかし2日目を終え、トータル2位に着けられたので、残すは明日1日半荘3回の勝負となりました。

とりあえず作戦成功!!(笑)

ともたけさんも最終戦(9回戦)は特大のトップで100ポイント超えです。
さすがです!これでともたけさんも優勝が見えてきました。

6月22日
大会は最終日を迎えました。
ともたけさんも私も優勝が見えている位置だけに俄然力が入ります。

海外の選手は受けと攻めがハッキリ分かれます。
受けるかたはガチガチの守備でまったく放銃しないように打ち、攻撃してくる選手はとにかくリーチを多用してきます。
愚形でもガンガンくるので、そのあたりの見極めも重要になってきます。

ただ、今回は鳴きを多用してくる選手はあまり見なかったです。
そのため、局面が終盤になることが多く、そうなるとともたけさんや私のような、メンゼン高打点の攻撃型は若干有利かもしれません。
そのようなことも初日に様子をみることで見えてきて2日目の好成績に繋がったのかもしれません。

10回戦成績/終了時
ともたけ▲17.6P/90.3P 山井+5.3P/152.1P  Vladimir Nadanyan 47.5P/238.2P

ともたけさんは3着でやや後退。私は2着でトップを走るロシアの選手もトップでかなり離されてしまいました。
同卓ではないので、自分の成績をできるだけ伸ばしてあとは結果待ちするしかありませんが、ここまできたらやるだけです。

11回戦成績/終了時
ともたけ+5.8P/96.1P 山井+45.4P/197.5P Vladimir Nadanyan▲14.1P/224.1

ここで私は大きなトップを取ることができて2位に浮上し、ロシアの選手を追い詰めました。
ロシアの選手は3着で差がかなり縮まり26.6Pの差まできました。
あとは運命の最終戦を残すのみ!

12回戦成績/終了時
ともたけ+4.7P/100.8P 山井+18.7P/216.2P 

最終戦、ともたけさんは3着でフィニッシュ。順位は20位でした。
私は最後大きめの2着だったので、ロシアの選手がラスかもしくは27,000点くらいの3着であれば優勝が見えてきます。
さあ運命の結果待ちです。

 

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選手たちとトロフィーや楯が並んで発表を待っています。

5th European Riichi Mahjong Championship
優勝はVladimir Nadanyanさんでした!!!おめでとうございます!!

 

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12回戦成績/終了時
Vladimir Nadanyan23.7P/247.8

Vladimir Nadanyanさんは最後もトップで締めくくり、見事な優勝を飾りました。
本当におめでとうございました。

総合成績

 

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私は最後にもう1人にも捲くられて3位で終了。悔しいですが精一杯戦えたと思います。

 

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今回の大会で優勝と準優勝はロシアの選手でした。
3人で記念撮影です。

 

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そして、ニーアエミールのサイン入りクッションは、フランスの選手でMaati Raissiさんが当選されました。
WRCラスベガス大会のDVDも一緒に送られ、本当に嬉しかったのでしょうこの笑顔です。

閉会式も一通り終わり、最後に重大な発表がありました。
来年2020年の第3回リーチ麻雀世界選手権の開催国及び日程です。

開催国はオーストリアのウィーンに決定。日程は8月27日から4日間にかけて開催されます。
遂に世界大会も3回目を迎えますが、私はフランスで優勝することができたおかげで、これまで色々な国に行かせていただきました。
フランス・ニューヨーク・モスクワ・ラスベガス・オランダ。次はウィーンです。本当に楽しみです(笑)

さて大会も終わり、これで解散とならないのが海外の麻雀好きです。

 

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ホテルに戻り、バーのテーブルに麻雀マットを何卓も広げて何十人もでまた麻雀が始まりました。
私は優勝と準優勝のロシアの選手と4位に入った、こちらもロシアの選手なのですが、その4人で13回戦に突入です(笑)
4位に入ったElena Goryachevaさんはロン2の会員だったこともあり、私がモスクワの大会に参加した時もきていて、日本に行ってプロになりたいという夢を聞いたことがありました。
今から3年以上も前ですが、その彼女が麻雀を続けていて、しかもヨーロッパの大会で4位に入賞する実力をつけてきたのをみて、私はとても嬉しい気持ちになりました。

 

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13回戦は東3局に(東風戦)Elena Goryachevaさんのリーチを受けましたが、

三万三万三万七万七万南南白白白  暗カン牌の背中中牌の背  リーチ  ツモ南  ドラ七万  裏三万

それを掻い潜り私のこのアガリ(笑)
このアガリで会場中からみんなが集まり、喜んでくれて笑いと拍手の渦で大いに盛り上がりました。

 

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ロシアの3強(笑)
ウィーンでは強敵になると思いますので、日本から参加されるかたは気をつけてくださいね。

麻雀はこのあと何回も打ち、ともたけさんも疲れているだろうけど、最後まで海外の選手と一緒に打ってくれました。

この大会に参加した選手の皆さん、そして主催者のかた並びに審判を努めてくださった皆様、本当にお疲れ様でした。
そしてありがとうございました。ともて楽しい大会になり本当に来てよかったなと思いました。最高のオランダの旅になりました。

 

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麻雀が終わって、ウィーンの大会を運営するメンバーたちなどとステーキハウスで乾杯。
こうして第5回リーチ麻雀ヨーロッパ選手権の幕は閉じました。

最後に。
今回、オランダへ行くことが決まってから、ホテルの手配をしてくれたり、到着してからは、空港への送り迎えをしてくれたり、寝ている時以外はいつも一緒に行動してくれたジェマさんとトシさん。
ともたけさんも私も慣れない海外で、恐らく2人だけでは電車の切符を買うことすらできなかったと思います。
昼間はとても暑くなり、それが苦手なジェマさんですが、最後まで笑顔で付き合ってくれました。
トシさんの明るさには本当に元気をもらいました。ともたけさんとの食べ比べも楽しかったです(笑)

2人のおかげで本当に快適なオランダの旅を満喫することができました。
本当にありがとうございました。

海外に麻雀を普及するためこれまでジェマさんが頑張ってきた今の状況を、これからも益々麻雀が多くのかたに楽しんでいただけるよう、私も何かできることがあればという強い気持ちになりました。
ウィーンの大会まであと1年。腕を磨くのはもちろん、どうしたら海外のかたたちに麻雀の楽しさ、また技術を伝えられるか考えたいと思います。

それでは皆さんウィーンでまたお会いしましょう!

 

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ともさんお土産買い過ぎだから(笑)