プロ雀士コラム

新時代突入!プロテスト要項

当連盟は今年で32年目を迎え、4月1日長年に渡り会長を務めていた灘麻太郎が勇退し、
新会長森山茂和が誕生しました。
その新体制を皆で盛り上げて行こうと、若手を中心にやる気で満ち溢れています。

ある者は麻雀勉強会に参加し雀力の向上に切磋琢磨し、ある者は麻雀講師の講習に熱を注ぎ、
ある者は裏方を務める技術の取得に勤しんでいます。
まさに今、日本プロ麻雀連盟は劇的に進化している真っ只中なのです。

CSなどの麻雀番組やニコ生、ユーストリームなどタイトル戦決勝のみならず一般的に映像媒体が増え、打ち手であるプロ達は今までより一層ファンの方々にその技量が問われる時代になっています。
そのような時代の変化に伴い、プロテストの在り方もここ数年で大きく変わってきました。
このコラムでは、近年新たにプロを目指す者たちに求められているものを僕なりの考えで伝えられたらと思います。

私自身、8年前に年に1回のプロテストを受け、半年間の研修期間の後プロ入りを果たしました。
当時は120名程が受験し40名程が合格したのではなかったのかと記憶しています。
内容は競技の世界に入るにおいてのイロハを叩き込まれました。
趣としては競技麻雀を打つにあたっての基礎がメインであったと思います。
それからプロテスト実行委員会に参加させていただき早5年、根幹である基礎能力を問う事は変わりませんがプラスアルファの部分で受験生に問われる内容も大きく変化してきたのを目の当たりしています。

まずシステムの大きな変化としては、プロテストが年に2回行われるようになりました。
これにより、優秀な人材を逃すことも無くなりましたし講師陣は年間通してプロテストを見つづけられます。
反省点、改良点はすぐに反映され、よりよいプロテストの内容が行われます。
合格基準も高くなり、前回のプロテストでは総受験者の2割程しか合格者はでませんでした。

過去行われていた研修制度は無くなり、半年間に渡る途中脱落のある三次テストという形式になりました。
会場は毎回がサバイバルなテストという事で緊張感に溢れています。
内容に関しての最たる変化は、「見られる事」に対しての意識付けでしょうか。
プロ連盟の看板を背負うに相応しいかという観点が重視されるようになったと思います。
もちろん最初から備わっている人はなかなかいないので、現状の実力だけでなくその人の将来性も考慮します。
そのため個別対話を重視し、二次、三次を通じ面接の時間が増えたと思います。

二次試験の面接は集団面接の形に変わり、コミュ二ケーション能力などが問われます。
プロは麻雀が打てるだけでは務まりません、その打牌の意味や意図を大勢のファンの方に伝えられる能力が必要です。
テレビ対局の解説などもこれに該当しますね、喋れなきゃ自身の意見を言えなきゃ通用しないのです。

三次試験の最初に行う事は、自身のフォームチェックです。
講師がデジカメを構え撮影し、パソコンで自身の摸打を即座に確認します。
私は300名程撮影してきましたが、9割5分の方が初めて自分の打っている姿を見たと言う感想をもらいました。
滝沢さんや二階堂亜樹さんは、姿鏡で自身の摸打をチェックしたと聞いた事があります。
牌の扱いや作法は基礎の部分です、一目でこれぞプロと思わせる摸打を繰り出してもらいたいものです。

知識の部分では、点数計算が出来るのは当たり前、より高度な条件計算が求められます。
チンイツなどの多面待ちも、わからなかったら理解するまで勉強してから受験していただきたいものです。
ホームページに過去の問題が記載されているので、是非完璧に出来るまで繰り返し解いてみてください。

あとはAルールの特異性もしっかり理解して欲しいです。
これは、なかなか練習する場がありませんが、麻雀格闘倶楽部の競技ルール卓や四谷連盟道場に行けばノーレートのAルール麻雀が打てるので活用していただきたいですね。

なんだか険しい道のりのように聞こえますが、全てはプロを目指すものとしては当たり前の事ばかりです。
最初にも書きましたが、近年は映像媒体が増えましたし、「麻雀格闘倶楽部」や「ロン2」などもあり、活躍の場が沢山増えています。
若手であろうと麻雀の実力と実績を認知されれば、すぐにでも第一線での活躍の場が待っています。
また、映像が増えたことにより裏方も麻雀に精通した者の方が、よりファンに魅了的に伝えられるため、仕事が増えています。
そういった技術を持つ者が重宝されているのも事実であり、これからは一芸として合格に有利に働くのではないでしょうか。

多くの受験される方々は、私自身がそうであったように麻雀プロというものの認識があいまいで漠然とした思いで来るのがほとんどだと思います。
その原因は、まだまだ麻雀プロ像を確立、体現出来ているプロが少ないからかもしれません。
何を為すべきか、自分で探すのは大変な事です。
しかし、「やってやろう」と強い気持で受験していただく方には最高の環境があると思います。
伊藤優考、前原雄大、瀬戸熊直樹、藤原隆弘、望月雅継、滝沢和典、紺野真太郎、トッププロが勢ぞろいの講師陣。
私も微力ながら全力で頑張っています、あ、大庭三四郎アシスタントも頑張っています。

受験生の皆さん。
プロ連盟は戦う集団です。
プロは自己プロデュースしてなんぼです。
その環境、道筋は先輩方が切り開き今確立されつつあります。
共に戦う気持を持つあなたを待っています。