第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦 プロ雀士準決勝レポート ケネス徳田
2015年08月21日
先頃ゲスト雀豪準決勝が終了し残るは7月19日に行われたプロ準決勝。この卓から勝ち上がった2名が第6回麻雀トライアスロンの決勝戦へ進出する。
過去5大会、いずれも女性で決勝進出者が存在しておらず、和久津晶・二階堂亜樹がそのジンクスを破るか? それとも世界チャンピオン、モンド杯と連続優勝している山井弘が変則三冠を狙いに行くか? あるいは79歳で優勝というおそらく麻雀界最高齢でのタイトル獲得となるであろう小島武夫か…。
★東風戦(順位点5-15)
東2局、いきなり天下分け目の勝負所が訪れる。まず7巡目に東家・亜樹が
を切れば実質(ピンズ・字牌引きで)メンホン七対子のテンパイだが、ここは1枚切れのを切って最高目を狙いに行く。9巡目にをポンしてテンパイ。
ポン
はション牌。簡単には出てくる牌ではないが…しかしこの時点で西家・山井が234のタンヤオ三色テンパイ。
ドラ
そして北家・小島も12巡目に
ドラ
この345のタンヤオ三色テンパイ。どちらもが止まらない手格好に。
だが同巡、亜樹が自らをツモリアガる。
ホンイツ・トイトイ・三暗刻・小三元、親の倍満8,000オール!
そしてさらに1本場でも6,000オール。
リーチ 一発ツモ ドラ 裏
東風戦では1回でも充分な大物手を立て続けに繰り出し大トップ。順位点以上に大きな素点を獲得してまずは初戦を制す。
東風戦成績
亜樹+52.7P 和久津▲0.2P 山井▲17.3P 小島▲35.2P
★半荘戦(順位点10-30)
東風戦を2着で耐えた和久津、東2局14巡目にテンパイ。
高目456三色テンパイ。だが安目でもピンフドラ3ということでヤミテン。すると最後のツモで高目をツモって跳満のアガリ。
トータルダントツ目の亜樹が暗カン、仕掛けている山井の捨て牌にがあったということもあってのヤミテンだが、和久津ならばリーチという選択もあったのでは?
東3局、8巡目に東家・山井が先制リーチ。
リーチ ドラ
同巡、南家・亜樹が追っかけリーチ。
リーチ
一部同じ待ちのを山井が一発でツモって4,000オール。
さて、1人取り残されているのが小島。
ようやく南1局で1,000点をアガリ、親番を自力で引いた格好となる。
だがその貴重な親番も9巡目に西家・亜樹が
ツモ ドラ
これでテンパイ、ヤミテン。そしてその打を南家・山井がポンテン。
ポン
一気に2人テンパイ。すると同巡、小島にもテンパイが入る。
を切ってヤミテン。ソーズが伸びればと切ってホンイツを狙いに…普段ならそう打つが、ここは他家を止めるためにと思い直して次巡ツモ切りリーチに。
山井はギリギリまで踏み込む。一方亜樹はの雀頭落としで回るが、止めたが重なってテンパイ復活。その同巡に小島が放銃となってしまう。
ロン
これで亜樹・山井・和久津の三すくみ状態に。特に山井・和久津はお互いの着順勝負の色合いが濃い。その思考が南3局、山井の親番で以下の手牌でヤミテンに構えたのかもしれない。
すると同巡、南家・亜樹がリーチ。
リーチ ドラ
このリーチを受けて山井はテンパイを崩す。完全に和久津との点差のみに徹した構えである。
その結果、オーラスで亜樹が連荘、もつれにもつれ最後は亜樹が和久津からアガって2連勝となる。トップ逆転された格好の山井だが、最初から和久津との着順勝負を狙っていたとするなら…。
半荘戦成績
亜樹+39.6P 山井+14.9P 和久津▲10.1P 小島▲44.4P
半荘戦終了時
亜樹+92.3P 山井▲2.4P 和久津▲10.3P 小島▲79.6P
★三麻戦(順位点10-20、5万点持ちスタート)
起家スタートの山井、3巡目で先制リーチ。
10巡目に南家・和久津が追っかける。
リーチ ドラ
開局から全面戦争。この2件リーチに、四暗刻1シャンテンだった小島がギリギリまで抑えていたが山井に放銃となる。
山井に先制されると厳しくなるのが和久津。東4局5巡目に先制リーチ。
リーチ ドラ
同巡、東家・亜樹が追いつく。
を切ればペンの一気通貫テンパイ。だが亜樹はを切って追っかける。これは4枚目のを引いた時に暗カンを行えるようにするためである。
結果は暗カンの前にツモアガリ。6,000オール(親満ツモ)でさらに加点に成功。
南1局2本場、ようやく和久津にとって待望のアガリが。
リーチ・ツモ・・ドラで4,000オール(満貫ツモ)。このアガリで山井を追い越す。
次局、連荘を狙って山井を突き放したい和久津だが、逆にその狙いが裏目に出る。
3巡目に
ツモ ドラ
打で西家・亜樹がポン。その後を暗カンすると新ドラがに。
そのドラのが浮いている和久津。一方をポンした亜樹は
ポン
和久津がを入れてリーチ。だがその切ったを亜樹がポンして
8,000オール(倍満)のツモアガリ。抜け番だった山井は失点無しで、この瞬間再び山井が和久津を追い抜く。そして西1局の親番で山井は3巡目リーチから
リーチ ツモ ドラ 裏
9,000オール(親跳満)のツモアガリが決定打で終止符を打った。
三麻戦成績
亜樹+55.1P 山井+23.8P 小島▲16.4P 和久津▲62.5P
最終成績
亜樹+147.4P 山井+21.4P 和久津▲72.8P 小島▲96.0P
プロ準決勝勝ち上がり 二階堂亜樹 山井弘
第6回麻雀トライアスロン雀豪決定戦~決勝戦~
カテゴリ:プロ雀士コラム