「鳳凰戦開局」 勝又 健志
2016年04月28日
まさか自分が鳳凰の部屋を担当することになるとは。全くの想定外のため、何を書いていいのやら。
まぁ私には麻雀しかないわけで、鳳凰戦での思考や気持ちをお伝えしていきますので、みなさん一年間お付き合いよろしくお願いします。
昨年の鳳凰位決定戦。最終日には大差をつけられていて、優勝争いにすら絡めない惨敗となった。
敗因はと考えると答えは簡単。2日目の大敗である。
初日の50ポイントの貯金を全く生かすことができず、ズルズルとマイナスを積み重ねてしまった。
そして、3日目、4日目は大きなポイント差がついてしまったための無謀な攻めの繰り返しと、負けて当然の内容にしてしまったのだった。
悔しいというより、情けない、そんな気持ちでいっぱいだったことを今でも鮮明に覚えている。
ここから私は「いかに大きな負けを減らしていくか」という点に重きを置いて考えるようになった。
私なりの結論として、「大きな負けの原因は何か→勝負所の見極めができていない」
その半荘で現状4着といった状況で、相手に先手を取られたとき、自身がアガリ切れれば順位点も込みで、大きくポイントが戻せるといった考えでリスクの大きな勝負をしてしまう。
しかし、鳳凰位決定戦はそんな甘い攻めを許してもらえる場所ではなかった。
では、どうするべきか。私は、局の序盤では効率的に大きな損があっても、後手になったときに無理なく攻め返せる手組という意識を、これまで以上に持つように変化させることで改善を試みた。
そして、第32期のリーグ戦開幕。第9節まで、▲40ポイントという節もあったが大きなラスもなくポイントを伸ばすことができた。
しかし、最終節の1回戦にボロが出てしまう。
まず、親の瀬戸熊のリーチに5,800の放銃。これは、自身も勝負すべき手牌(私の麻雀観でのことだが)だったため仕方ないとも言えるのだが、問題は次の放銃。
手牌の良さから1シャンテンでドラを放つと、これを前原にポンされる。
そのまま、アガリに向かって真っすぐに突き進み7,700の放銃で大きなラス目に。
決定戦に進みたい欲に負け、絶対に打ってはならない牌を河に放ってしまう。
この時は、「俺は去年の負けから何を学んだのだ。」と自分の未熟さを嘆いていた。
この後、南場の親番でただただ幸運に恵まれポイントを戻すことができ決定戦進出となったが、「このままでは昨年同様惨敗となってしまう。もっと意識を徹底しなければ。」そんな想いで初日までの1か月ひたすら麻雀に打ち込んでいった。
1月30日、ここまで質には不満は残るものの、量では自分が一番と胸を張れるトレーニングができたからか、プレッシャーはほとんどなく対局に入ることができた。
対戦相手は、前田直哉、瀬戸熊直樹、古川孝次。
前田は、高打点の手組と受けの強さ。
瀬戸熊は、クマクマタイムと呼ばれる親番での連続攻撃はもちろんながら、その時間帯に入れるまでの繊細な押し引き。
古川は、サーフィン打法で知られる仕掛けを駆使しての主導権の取り方。
この3者の持つ超一流のストロングポイントをどれだけ消せるか。
そして、自分の強みである終盤勝負に持ち込めるか。この2点が自身の勝利への道と考え鳳凰位決定戦に臨んだ。
1回戦(起家から、瀬戸熊、前田、古川、勝又)
東1局。古川よりピンズのホンイツ模様の仕掛けが入ると、8巡目に瀬戸熊のリーチ。
古川は瀬戸熊の現物のピンズを連打。これを見てノーテンと思い込み、古川に2,000点の放銃。
オリ打ちから始まりはしたが、結果的に瀬戸熊の親番が流れたことを考えると、最悪のスタートではないなと前向きにとらえていた。
ただ、放銃したという結果は受け止め、この後は序盤からかなり守備的な手組で東場を戦う。
28.000点持ちのまま迎えた南1局。ここで好配牌が入る。
ドラ
これが9巡目にすんなりとテンパイ。
ドラ、三色、イーペーコーと手変わりが豊富なこともあってヤミテン。
13巡目にを引いたので打点が見合いリーチにいく。これが
リーチ ロン
高目でのアガリとなって、この半荘のトップ目となる。
ここまでオリ打ちこそあったが、自分なりに満足のいく内容であった。
しかし、南3局で疑問手を打ってしまう。
と初回の鳳凰の部屋はここまで。
この続きはまた次回にさせていただく。
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