プロ雀士インタビュー

第265回:プロ雀士インタビュー 仲田 加南  インタビュアー:太田 寛子

第21期 新人王
女流桜花 4期(第4,11,12,13期)
女流日本シリーズ 優勝(2020,2023年←NEW!)
数多くの輝かしい成績を残している中・・・

新たに8つ目のタイトル、
【第1期WRC-R優勝】を記録した仲田加南プロ。

今回はわたくし、太田寛子がその時のインタビューを担当させて頂くことになりました!
ぜひ最後までお付き合いください!

まずは知らない方のためにざっくり説明すると、
JPML WRC-Rリーグとは、

〈〈連盟で、初の赤アリのタイトル戦である!〉〉

~決勝メンバー~

 

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左から
香野蘭
仲田加南
奈良圭純
塚田悠介
(敬称略)

太田「加南さん、新タイトルの優勝おめでとうございます!!早速ですが、このメンバーでの対局が決まった時にどう戦うか、方針は決まっていたんですか?」

仲田「ありがとう!そうだね。やっぱり奈良さんをマークしてたかな。決勝経験が多くて、優勝したことがあるのは大きな違い。勝ったことがない人は、初めての勝利が目前になった時に動揺してスキが生まれる。リードを守ろうとしてまくられたり、距離感がわかんなかったり。だからそういう部分で、奈良さんをマークしてた。」

太田「やっぱりその経験値は大きいんですね。ちなみに実況の小笠原奈央さんが『今回の決勝はプロ人生を賭けて臨んでます』と紹介されていたのですが、どういう心境だったんですか?」

仲田「ちょうどベスト16あたりでMリーグ関係が盛り上がってたんだけど、麻雀界で注目、話題にされているところに自分はかすりもしない。Mリーグが麻雀界を盛り上げてくれてるけど、それ(Mリーグ)をゴールにするのはよくないと思ってるんだよね。だから、図々しいけど私が優勝して『私についてこい!』って気持ちで1つ1つのタイトル戦の価値をあげていきたいと思ってたんだよね。」

太田「かっこよすぎます!しびれます!!」

仲田「どれだけ頑張っても見てもらえなくて腐っちゃう人もいると思うから、私は頑張って良い麻雀を残して、Mリーグだけじゃないんだぞ!ってみんなに教えてあげよう、くらいの気持ちで打ってる。」

太田「そういう考えあっての一言だったんですね。ではそんな中で、印象に残った局に関して質問させて頂こうと思います!まずは1回戦。南1局の親番に6,000オールのラリアットを決め、南2局、親番香野が連荘を重ねて5本場を迎えて手牌&点数状況がこちら。

 

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ドラの七筒を切ってピンフドラ高め三色の3面張をテンパイしますがリーチせず。しかしその直後に親番香野からドラ待ちのリーチが入った直後、追っかけリーチをして数巡後に香野から八筒が出てアガリ!この時の思考を教えてください。」

 

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仲田「まず前提として、
・決勝以外でも、1回戦はかなり強く打つようにしてる。
・日頃から北家の時はかなり大事に打つことを心掛けてる。

香野さんの親を終わらせるためにヤミテンを選択したけど、その親からリーチがきたからってオリる手じゃないから、それなら追いかけリーチで勝負することにしたんだよね。」

太田「たしかに1回戦、強気な選択が随所にみられました。そしてあの好形でのテンパイなら、リードしていても一番強くリーチまでいくという選択になったんですね。1回戦は見事なトップをとり、2回戦3着、3回戦も3着となったものの、日本プロ麻雀連盟で〈なに切る?〉に紹介されたいい局なんかもありましたよね!」

仲田「あのアガリは感触よかったね~!詳しい内容は何切るで話したから、インタビュー記事に参照してもらったほうがいいかも。」

3回戦東1局
二万三万五万赤五万六万八万九万二索三索三索六筒七筒八筒  ツモ四万  ドラ南

何を切る? 2023年7月

太田「ありがとうございます。いいアガリだったのでぜひ合わせて読んで頂きたいですね!それでは、最後にかなり話題になったオーラスについて聞かせてください!」

※最終戦オーラス
ツモは三倍満、奈良さんから満貫直撃条件

配牌もらった時とかはどういう事を考えてるんですか?

 

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仲田「地和こい!って思ってたよ(笑)現実的には、南トイツでドラは四索赤五索が配牌にあったから、タンヤオピンフドラ赤とかも視野に入れてた。けど白もトイツになって、急所の三筒五筒がスルスル~っときてすぐテンパイできてラッキーだった」

太田「たしかにかなり早い巡目のテンパイでしたよね。〈ツモよりデバサイ〉という言葉をよくサインに書いてるだけあって、女流日本シリーズに続いてのデバサイ優勝でしたね!では最後に、今後取りたいタイトルや目標なんかはありますか?」

仲田「とりたいタイトルというか、定期的に、年に1回タイトルを獲りたいって思ってる。第4期女流桜花を優勝した後、3連覇する年までしばらくタイトルを獲れなくて、その時期は本当に辛かった。応援してくれてる人にいい報告を届け続けたい。」

タイトルを獲ったことをない私のような考えつきもしない壮大な目標に感じるが、”仲田加南”なら本当に毎年優勝してみせてくれるのではないだろうか。

---Mリーグだけでなく、
鳳凰位戦、女流桜花やWRC-R、その他多くのタイトル戦はもちろん、なにより今後の『仲田加南』に注目して頂きたい。

そして最後に、記念すべき初代WRC-Rのインタビューを務める事が出来てとても光栄でした。

私自身も、大きな舞台で加南さんにいつか挑戦できるように頑張っていきます!
今回は拙いインタビューにお付き合い頂きありがとうございました!

 

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