プロ雀士インタビュー/第11期プロクイーン決定戦優勝特別インタビュー:二階堂 瑠美
2014年01月30日
『天衣無縫』
天人の衣服には縫い目のあとがないこと、転じて、技巧のあとが見えず自然であって、性格や言動がありのままで飾り気のないこと。しかも完全無欠で美しい様。
なんて綺麗で素晴らしい言葉でしょうか。
皆様は、天衣無縫と聞いて何を、誰を思い浮かべますか?
今回は、天衣無縫。
そんな異名を持ち、その言葉が本当にピタリと当てはまる
二階堂瑠美プロに、私、小笠原奈央が、第11期プロクイーン決定戦の優勝インタビューを兼ねて、
プライベートな事を色々聞いてきましたのでご覧ください。
~プロクイーン決定戦でのこと~
小笠原『プロクイーンおめでとうございます。プロクイーン決定戦に向けてどんな取り組みをされましたか?』
瑠美 『対戦相手に攻撃型が多いから、これは殴り合いになるなーって思ったんだよね(笑)
だから無駄に恐れない様にしようとか、Bルールの調整セットを沢山してもらって当日に臨んだよ。』
11年間、プロクイーンの予選には参加はしていたが、女性同士の戦いは少し苦手ということもあり、予選で敗退敗退・・・と、プロクイーンとの相性が悪かった瑠美プロ。
そんな中、今回決定戦まで勝ち進んだが、「初日も2日目も自分の日だとは感じていなかった。でも最後まで諦める気持ちなんて一切無かった。」と優勝への熱い気持ちを語ってくれました。
小笠原『最初の抜け番を選んだ理由を教えて下さい』
※プロクイーン決定戦では10回戦終了時まで5名で争うので、1人一度抜け番というものがあります。
瑠美 『私、最初って頭が起きていないっていうか、麻雀脳になりきれていないから・・・
まずは他4名の戦い方や今日の調子みたいなのも見たかったしね。』
プロクイーン決定戦最終戦。
瑠美プロがトータルトップ目になるが、一番意識を置いていたという和久津昌プロが、
南1の親番で47,300点持ちのトップ目に立ち、瑠美プロとトータル7,700点差まで追い上げる。
小笠原『南1局の和久津プロの親番で、僅か7,700点差まで追い上げられましたが、その時の心境など教えて下さい』
瑠美 『最終戦もトップを取る気満々だったんだ。自分で動いていかないと、自分で変えていかないと優勝は勝ち取れないと思ったから。和久津プロの親番もここを流せば!!って自分から闘いにいったの。』
その時の局がこちら。
をツモアガリ1,300・2,600の点数以上の大きなアガリとなった。
小笠原『優勝を感じた局はどこですか??』
瑠美 『最終戦の南2局かな。途中まで、ここはペンでリーチかな??とか考えていたら面前で仕上がっちゃって、これアガったら優勝出来るかも!!って感じちゃったよね。』
その時の局がこちら
瑠美プロと言えば三色。
その大好きな綺麗な手が出来上がり、豊後葵プロから高めの跳満を出アガった。
「ここで正直気持ちは少し楽になったよね。」と瑠美プロ。
オーラス、豊後葵プロの1人テンパイでプロクイーンは幕を閉じ、
第11期プロクイーンは二階堂瑠美プロとなった。
「今回は勝つための麻雀をした。勝ったのは本当に嬉しいの。周りからもやっと勝ってくれたね!!って喜んでもらえて、恩返しが少しできたかなって。ただ、自分らしくは無かったなって思うんだよね。対応させられたなーって。優勝したからと言って、これは過程であって、自分らしく打って勝つためには!!っていう課題が出来たよ。決勝戦って楽しいね!麻雀って、本当楽しい!!」と飾りっ気のない無邪気な笑顔で語ってくれました。
決勝戦の細かい内容は連盟ホームページ内にある白鳥翔プロのプロクイーン観戦記を見て頂くとして・・・(笑)
決勝初日 観戦記はこちら
決勝最終日 観戦記はこちら
それでは皆様お待ちかねのプライベートを聞いて行きましょう!!!!
小笠原『異名「天衣無縫」は気に入っていますか??』
瑠美 『気に入るも何も素晴らしすぎる言葉で…えぇ気に入っています(笑)でも、そろそろ年齢的に二階堂亜樹の姉 二階堂瑠美でいいんじゃないかなって思うんだけどねー。年上の人からも、いつもお姉ちゃん!お姉ちゃん!って、言われるし。ははは』
小笠原『いえ、ピッタリなので変えないでください。瑠美さんは10年以上麻雀プロとして活動をしているわけですが、職業病とかってありますか??』
瑠美 『寝ても覚めても麻雀の事をずっと考えてるね。数字の並びとか見ると、あぁこれ何シャンテンだ。とか考えちゃうし。信号は赤では絶対渡らない、募金はしようとか、日頃の行いが麻雀に影響するって思ったり。絶対に見えない部分までをも考えたくて・・・とりあえず考えすぎちゃうの!!(笑)』
小笠原『そんな瑠美さんが、麻雀プロとして心掛けていることはなんですか?』
瑠美 『常に人の目を気にする事かな?誰も見てないから良いっていうのではなくて、自分が見ているでしょ?だから、自分が恥ずかしくない麻雀を常に打っているよ。マナー面もそうだよね。麻雀プロとして麻雀は楽しいもの!面白いものだよー。って普及させていくためには、4人で麻雀ってやるものだから、自分は勿論、同卓している人に不快感を与えるような行動は、その人の為にも注意するんだ。
それも麻雀プロの仕事だと思うの。』
そんな瑠美さんは・・・
・昔の夢は、声優、俳優
・中学時代は演劇部に所属し、主役も務める
・人前に出るのはそこまで緊張しない
・読書や、ナンプレなどのパズルゲームが大好き
・瑠美さんの半分は優しさで出来ている
なぜなら・・・
・人類皆幸せであってほしいと願う
・人と向き合うことを諦めない
・落ちているゴミとか拾っちゃう。もちろんゴミ箱へ
・席は絶対譲る。でも、相手に気使わせないように立ち去る
・気を使われていると悟られたら、気を使う意味は無くなってしまうから
・ただ、妊婦さんは分かりづらく、立ち去ってから、よく見たら若い男の人だったというアクシデントも
・ただ、本に集中しすぎると電車でも3駅程乗り過ごすお茶目さ
・集中力半端ない
・得意なのは無駄遣い!時間もお金も(笑)
・最近も、恒例の女流修学旅行の為にパジャマを2つ購入。結構荷物嵩張る
・でも、自分が無駄だと思うことをするのは嫌い
・すき焼き、焼肉、鰻、パスタが好き
・特に五右衛門が大好き
・三麻も実は大好き
・ただ、やはりAルールには敵わない
・子供も大好き
・知らない子供によく話しかけて、亜樹さんに怒られる
・姪っ子が可愛すぎる。ベビー用品を貢いじゃってます
・周りには男っぽい、おじさんっぽいと昔から言われる
・服は綿に限る!!!
私の最初の瑠美さんの勝手なイメージは、TVでよく見ていた人だし、タイトル戦などでフロアが一緒になった時も、いつも多くの人々に囲まれていて、近づきにくい存在で、クールな印象を受けました。
ただ、麻雀中の瑠美さんは一段と輝いていて、誰よりも表情が豊かで、自分も対局中なのに惹きつけられたのを覚えています。
瑠美さんとは、今回のインタビューで初めてちゃんとお話ができ、人間二階堂瑠美の人柄、考え方、世界観に惹きつけられ、あっという間に2時間という時間が経過していました。
この人見知りの私が・・・(笑)
小笠原『今年のカレンダーについて聞かせて下さい』
瑠美 『エンジェル・デビルをイメージしたんです。亜樹ちゃんと2人で両パターン実は撮ったんだけど、悪戯っぽい表情でとカメラマンさんに言われて、普段したことないから、かなり困ったの。自分のあんまり見慣れない顔だから違和感あるけど、皆が良いね!って言ってくれるし、全体的なイメージもとても気に入っている!!』
そんな2014連盟カレンダーはこちら!!!
コナミスタイルはこちら
あとあと、瑠美さんをもっと知りたいと思い、心理テストもやって頂きました。
良かったら皆様もやってみて下さい。
1.次のように紙に図形を4つ書いてください。
2.4つの図形を用いて、それぞれに自由に絵を描き込んでください。
3:絵を描き終わったら、それぞれの絵をあらわす形容詞を書き込んでください。(~しい、~な、といった、後に名詞が続く言葉が良いです)
”3”でつけた形容詞に、次の言葉をつけるだけで、アナタの事がわかるんです♪
ではでは結果発表~
皆様はどんな結果になりましたか??
「絵苦手なんだよねー!!」と言いながら描いてくれた瑠美さんの回答は・・・
じゃじゃん!!!!
瑠美さんは
・周りから、仲むつまじいと思われている。
・自分の事を柔らかいと感じている
・温かい仕事だと感じている
・難しい人生だと感じている
ふむふむふむ。
「当たっているかもー♪皆にもやってみる!!」と楽しんでくれて良かったです。
私事ですが、プロになって間もなく丸2年。
2年という短い?期間ですが、麻雀の奥深さ・難しさに魅了される反面、プロとして人前に出る以上、こうでなくては・・・と思う気持ちと、そこに追いつかない自分の実力、成長が見えない甘い自分がもどかしく、何度か心が折れそうになったことがあります。
次の質問はトッププロとして走り続け、麻雀を世に広めてきた瑠美さんにどうしても聞いてみたかったことです。
小笠原『プロをやっていて、心が折れたり、辞めたい!!って思ったことはないですか??』
瑠美 『元々でっかい山に挑んでいるのは解っていたし、とにかく麻雀の事を知りたかったからプロになって、今でも変わらず、麻雀に対して常に好奇心があるし楽しいの。常に勝つことが出来ないから皆魅了されるんだよ。そこが楽しいんだよ。だから、そう思ったことは一度もないね!!プロになって10年以上が経つけど、まだまだ勉強することは、いっぱいある。そう思わなくなったら、それは私が麻雀プロを辞める時だと思う。』
麻雀に対する軸がぶれず、曖昧さがない凛とした姿勢が瑠美さんの言葉から感じ取れました。
普段の無邪気な仕草、気遣いのある優しい話し方の奥にあるもの、それは進む道に対する瑠美さんの覚悟、麻雀をこよなく愛する気持ち、プロとしてあるべき姿でした。
「幸せの一本棒を取ると辛いという字になります。
それは誰かの幸せの棒を一本奪って自分が幸せになるってことでしょ??」
そんな話を二階堂姉妹で語り合ったそうです。
「その棒をもう一本増やすことは出来ないのだろうか??
皆が幸せになる道があるんではないだろうか??」
綺麗ごと何かではなく、それを考え常に人と向き合うことを諦めないのが二階堂瑠美。
卓上でも、プロとしてエンターテイーナーとしての気持ちを忘れず、いつでも魅了させてくれるのが二階堂瑠美。
この方にどれだけの多くの人が魅了され、心を動かされたことでしょう。
まさに天衣無縫。
いつまでもその無邪気で飾りっ気のない笑顔で多くの人を魅了し続けてください。
最後に瑠美プロからファンの方へ愛のメッセージです。
瑠美『最近私を知った方もいれば、昔から応援してくれている方もいて、今現在私がこうやって活動出来ているのは全て応援して下さる皆様のおかげです。本当に、ありがとうございます。二階堂姉妹を、日本プロ麻雀連盟を、麻雀を愛してくれてすごく嬉しいです。これからも麻雀を、麻雀に携わる全ての人を応援してください!!宜しくお願いします!!!!』
最後まで読んでいただきありがとうございました。
少しでも瑠美さんの愛が皆様に伝われば嬉しく思います。
瑠美さん・・・
プロクイーン優勝本当に、おめでとうございます!!!!
カラオケルームにて瑠美さんと私
日本プロ麻雀連盟
小笠原奈央
カテゴリ:プロ雀士インタビュー