プロ雀士インタビュー

プロ雀士インタビュー/第139回:プロ雀士インタビュー 宮内 こずえ  インタビュアー:岡田 茂

第10期女流桜花 
終始安定した戦いぶりで、第10期女流桜花の座に輝いた宮内こずえ。
優勝トロフィー授与後のインタビューで今までの【想い】が堰を切ったようにあふれ出し、言葉に詰まる姿は記憶に新しいと思う。
映像対局では優勝経験が多数あるものの、この女流桜花が連盟公式戦初のタイトルとなった宮内こずえプロのインタビューを、後輩岡田茂が努めさせていただきます。
岡田「宮内さん女流桜花優勝おめでとう!」
宮内「ありがとう!これからはお局様じゃなくて、桜花様だからね(笑)」
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第10期女流桜花様(24歳?)
岡田「かしこまりました桜花様・・・ さっそくなんだけど、優勝後のインタビューの時ってどんな想いだったの?」
宮内「女流桜花はすごく欲しいタイトルだったから、対局中はもちろんだけど、対局までの間もプレッシャーが凄くあったんだ。あの瞬間にプレッシャーから解放されて、優勝したんだなーって実感がわいたの。」
岡田「たしかにかなり気合はいってたもんね。調整のセットも相当やってたんじゃない?」
宮内「週に2、3回はやったかな?」
岡田「自分も何回か打ったけど、確認作業をしてるというより、気持ちを作ってる様に見受けられたけど?」
宮内「うん。対局に向けて、いい精神状態で迎えたかったのが一番かな。もちろんAルールとしての打ち方の調整もだけどね」
岡田「なるほどー。思い出せば、宮内さんが麻雀の仕事の日だったと思うんだけど【今日もし負けたらセットお願いします!】って言ってたもんね(笑)」
宮内「たしかにあったね(笑)」
岡田「話はかわるんだけど、今は(手なりの女王)って呼ばれてるけど、昔はかなり手役派だったとか?」
宮内「そうなのー。超面前高打点猪麻雀(笑)満貫のチーテン・ポンテンとか取らなかった(笑) かっちゃん(勝又プロ)とヒサトと稽古するようになって、このスタイルじゃ勝てないと思って。(笑) あと、三人麻雀を覚えたのも影響してるかな?」
岡田「今回の決定戦では、手なりの局と手役狙いの局がかなりはっきりとしてたよね。」
1回戦の南2局1本場 
配牌 
三万八万九万二索三索六索九索七筒八筒九筒九筒西西  ツモ二索  ドラ七筒
この第1ツモ二索をツモきり、ここから最終的に
九万九万九索九索九索七筒七筒八筒九筒九筒西西西
宮内「手ごたえはあったんだけど、直前に八筒を2枚切られて、ドラの七筒が出たのでポンしてトイトイに切り替えたけどアガれず、あまり感触がよくないなあと。」
四万四万六万七万八万九万七索二筒三筒四筒五筒六筒白白  ドラ八索
岡田「そのアガれなかった前局をふまえての次局、親和泉が連荘しての2本場4巡目。ここから打七索
宮内「ドラのくっつきからのタンピンドラ1を見たいんだけど、ここは親落しが優先と思って」
岡田「白ポンからの1,000点の出アガリで親落としに成功。この2局の切り替えは見ていてホントに素晴らしと思った。手なりでは出来ないよね。後は手役の見切りもだけど、押し引きのバランスも見事な局が多かったと思う。魚谷プロが観戦記者の女流桜花観戦記(2日目)にも書かれてるんだけど、
7回戦 東2局 親和泉 13巡目
五万五万五万六万二索二索六索七索二筒三筒四筒六筒七筒  ツモ八筒  ドラ八筒
親和泉プロが 
一万二万四万五万六万七万八万九万南南南中中 
このテンパイ ここでテンパイとらずの打二索
宮内「和泉とは対戦が多いから、雰囲気が結構わかりやすいの(笑) この時かなり雰囲気が出てからマンズは切るつもりはなかった」
岡田「次巡にアタリ牌の三万をツモ。自分だったら六万切りリーチで三万で12,000放銃してます。(笑) 後は12回戦の南1局1本場、親の和泉プロからリーチが入って
一万一万三万八万八万九万九万二索二索三索南南中中 
スジの三万を切ってテンパイ。暗刻となる二索を勝負しての三索のツモアガリ。トータル2着目の親リーチをかいくぐってのアガリとなりました。」
宮内「亜樹ちゃんと吾妻さんは親落しをしてこないだろうし、親に放銃してもまだポイント的にはリードがあったから勝負したの。」
岡田「そうとはわかっていても、あそこで勝負にいくのは相当精神力がいると思った。しかも結果を出してアガリきるのはスゴイよね。家で見ながら1人で(うわー!こらスゲー)とか独り言いってたよ(笑)」
宮内「ありがとー。ついてた部分が多かった」
岡田「ツキだけじゃないと思いますよ!」
決定戦の対局内容は魚谷プロによる観戦記がありますのでそちらをご覧いただければと思います。
岡田「プライベートについても聞いていこうかと思ったんだけど、過去のインタビューを見ると大体のことが質問されてるんだよねー。麻雀を覚えたキッカケ、趣味、好きな食べ物、男性のタイプ・・・ 」
宮内「たしかにー」
岡田「個人的に気になってたんだけど、いつも明るくてポジティブなイメージなんだけどさ、宮内さんてストレスたまるの?」
宮内「少しはありますー!」
岡田「発散ってどうしてるの?」
宮内「友達と話したりとか、好きな事してかなー?あんまりストレスたまらないかも(笑)」
岡田「好きな事って?」
宮内「ゲーム!アプリよくやるよー」
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インタビュー後、携帯2台持ちでアプリをする桜花様
岡田「たしかに宮内さんメチャメチャのめり込むよねー(笑)強くなるのすごいはやいもん」
宮内「自分もでしょ!」
岡田「はい(笑)。それでは最後に今後の目標などお願いします。」
宮内「昔からかわらず目標は鳳凰位!リーグ戦もギリギリ残留したし、これから頑張っていきたいと思います!」
第10期女流桜花決定戦で優勝し、タイトルホルダーとなった宮内こずえ。
私が連盟に入ってから10年程になるが、公式戦、稽古でのセットなど何度か対局をしてきた。又、宮内プロが出場した映像対局などの後の打ち上げでも何度か同席した。
そんな時、勝った試合であれ、負けた試合であれ、彼女は必ずと言っていいほど、感想戦をする。先輩、後輩関係なく質問し、考えを聞き、自分の意見を話す。又、麻雀プロとしての在り方、プロ連盟の団体としての今後の事なども良く話題にする。その情熱、向上心が、今回の女流桜花優勝につながったのであろう。
あらためて女流桜花優勝 おめでとうございました。
P.S宮内女流桜花様へ もうお局様と呼びませんから、リーグ戦で残留争いをしている当面のライバルに、対局後「どうだった?えー もうちょっと負けてよー!」なんて言わないで下さい。残留したい気持ちは僕も一緒ですから。
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