第199回:プロ雀士インタビュー 伊藤優孝 インタビュアー:HIRO柴田
2019年11月14日
思えばここ数年よくご一緒させて頂き大変お世話になった。
令和元年という記念すべき年に十段位を齢70にして載冠した、皆さんおなじみ、日本プロ麻雀連盟チャンネルで“魔の4回戦”や“エンジンが~”など数々の名言を生み出した¨死神の優¨こと伊藤優孝プロのインタビューをさせて頂くことになりました。レジェンドのインタビューを出来ることは嬉しいのですが、文章力が無いのでハードルは低めに設定して読んで頂ければ幸いです。
柴田「十段戦優勝おめでとうございます。今日はこの後(漢塾)もあるのでお酒とかは無いのですが、僕1人だと全く気が利かないので、大和くんと一緒にお話を聞かせて下さい(大和プロは凄く気が利くのです)」
柴田「まずは今年の十段戦予選から決勝まで道のりどうでしたか?」
伊藤「九段戦Sは苦戦したんだよね。4番手で迎えた最終戦で、特大のトップをとって切り抜けたんだけど、そこが大きかったよね。ベスト16、8は余力があった感じだった」
九段Sは4番手で迎えた最終戦で5万点を越えるトップで逆転勝利。ベスト16は80ポイント差で余裕の勝ち上がり、ベスト8は100ポイント差で最終戦を迎えるという圧勝であった。
柴田「決勝は11回戦の特に東1局ペン三万をツモり8本場という大連荘になり、これはもう決まるかもと思いましたがどういった感じでした?」
伊藤「最後の2戦はいまあるすべてを懸けて、特に11戦目はトップ、それもデカトップにして、最終戦で役満をアガられても届かないくらいのね、どんなに加点しても、俺の脳裏には王位戦の役満が蘇るからね」
柴田「あの王位戦はまだ記憶に新しい逆転劇でしたもんね、樋口プロの鮮やかな緑一色でした」
伊藤「だから今回も最後は形になったよ、それでも攻め続ける。相手は役満アガっても届かないかもしれないけど、それでも藤崎が大きい手をアガってくるから最後まで攻め続ける」
柴田「対局している側としては、あの2万で一息ついた感じですかね。北切りとの選択でしたが、解説の前原プロが麻雀とは感じるものと仰っていたのが印象的でした」
伊藤「調子が良いときは感が冴えるもので、若いころってね、もっとこうピッピッーってヤバイ牌が、こうキケーンッって感じるものがあって、アガリに関しても通じるものがあるんだけど、最近はそれが少なくなってきて、でもあの時はそれと似た感覚で、この2万単騎はアガれるって感じたのよね。」
柴田「リードした時の戦い方で、心がけたこととかありますか?」
伊藤「自分でブレーキ踏んで、勢いを失くすくらいなら振っておいたほうがいいのよ、振るべき時に振る分にはエンジンは落ちないんだから、わかるだろ?」
※麻雀の話です
柴田「それは、リーグ戦などの対局の中で身をもって覚えさせられますよね、それでも損得勘定をいかに振り切れるかが難しいというか」
伊藤「俺だって怖いんだよ、そこを覚悟して行くんだよ!」
大和「機械じゃなく人間ですものね」
伊藤「手術や注射だって怖い、でも不意打ちじゃないから腹にこうグッと力入れて覚悟して行くんだよ。そうすれば痛みも半減するから」
注射は特に怖くなかったが小さくうなずいた・・
打牌とかの理由を求めがちな現代風な話ではないが、優孝さんとのこういった話が僕にとって凄く価値のある貴重な時間であって、そこに答えはなく、自ら感じ取って紐解かなくてはいけない。
自分の感性に刺激を与えてくれる偉大な存在と、このような話が出来るということは本当に幸せなことだ。
¨最後に¨
伊藤「漢の戦いにあきらめはない、今は人生100年と言われる時代になった。私も100歳目指してまだまだ終わるつもりはない」
–漢流儀–
伊藤優孝の戦いはまだ続くのだろう
いつまでも元気で、皆に愛されている伊藤優孝をこれからも追い続けたい。
カテゴリ:プロ雀士インタビュー