プロ雀士インタビュー

第207回:プロ雀士インタビュー 藤崎 智  インタビュアー:猿川 真寿

第36期鳳凰位を獲得した、 藤崎智。
5年ぐらい前に荒さんによく食事に誘ってもらい色々なことを勉強させていただいた。
そのときに、「麻雀は攻めと受けでは攻めのほうが強い、藤崎は受けの麻雀で勝ち続けてるということは一枚上」とのことを言われたのは印象的だった。

そんな藤崎のインタビューを、公私ともにお世話になっている猿川がお伝えします。

 

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猿川「お忙しいところすいません。」
(当日はMリーグの試合前)

藤崎「全然、始めようか」
(普通は鳳凰位おめでとうございますと始まるものだが、時間が少し経っていたので言えなかった。本当は最終日当日にLINEで伝えようと思ったが、他の選手とも当然繋がりもあり、ましてや大先輩に失礼かなと思ったのが大きな理由)

猿川「まず、最初に決勝面子が決まったときにどう思いましたか?」

藤崎「最終節、勝又とせりあいでなんとか残ったって感じだったし、今回は面子的に展開も予想しづらかったから作戦を立てようとは思わなかったね」

猿川「普段は考えるんですね?」

藤崎「多少はね、この人の親は連荘させないようにしようとか」

猿川「初日終わっての感想はどうでしたか?古川さんが走る展開になりましたが」

藤崎「1、2回戦全然勝負にならずに古川さんとすでに100ポイントぐらい差があったけど、2回戦オーラスに6,000オールツモれて浮きにはならなかったけど、そのあとの2連勝に繋がったと思って、出だしを考えるとプラスで終われたのでよかったと思ったよ」

 

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猿川「2日目はどうでしたか?」

藤崎「7回戦のトップで首位に立って8回戦もトップだったので勝ちそうだなと思ったよ」

藤崎「当日誕生日だったのでいいプレゼントきたなと(笑)」

(2日目は5回戦古川にトップをとられ差を離されるも3連勝)

猿川「3日目ぐらいから西川さんが追い上げてきましたが、勢いでくるタイプなので嫌ではなかったですか?」

藤崎「西川くんとは、最終日残して40ポイント差があったから焦りはなかったね。3日目マイナスだったけど、古川さんとの差は離れたので、まあいいかなと」

藤崎「ただ、初日、2日目の感じから3日目で決めるつもりだったから、マイナスで終わりつまづいた感はあったよ」

(3日目終了時のポイントは、藤崎+54.6P 古川+33.7P 西川+13.5P 吉田▲101.8P )
(ほとんど三つ巴の状態でこのメンタル、これがトッププロと私との差なのか)

猿川「そして遂に最終日ですね」

藤崎「13回戦トップで、14回戦4着、15回戦で西川くんがリーチしてきた直後にツモアガリ(ピンツモ三色ドラ1)できて、この瞬間勝ちを確信したね 1回目の(笑)」

 

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藤崎「でもその3局後には西川くんに捲られてたけど(笑) 」

藤崎「素直に強いと思ったよ。そのあと古川さんがあがってきたけど、ポイント的に余裕があったし展開としては悪くないと思っていたけど一気に点数差をつけられたね(笑)。でもその後古川さんに切りづらく、親の直がピンズのホンイツの捨て牌なので、自然とそうなるんだけど、七筒ツモの跳満で2度目の勝ちを確信したね(笑)
その後また逆転されたけど(笑)」

 

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猿川「古川さんの連荘の中1,300・2,600で再逆転でしたね」

 

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藤崎「そう、そのときはさすがに勝ったとは思わなかったよ(笑)」

猿川「最後の西川さんのリーチはどうでしたか?」

 

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藤崎「3倍満条件だから四暗刻だとは思ったけど、残りツモ2回だったから、ツモられるとは思わなかったよ」

猿川「そして鳳凰位獲得ですね おめでとうございます」

藤崎「ありがとうございます」

猿川「話は変わるんですが、今年からMリーグに参戦しましたがどうでしょうか?」

藤崎「去年は一ファンみたいに知ってる人ばかりなので、がんばれーみたいに気楽に応援してたけど、いざなると全然違うね」

猿川「プレッシャーとかですか?」

藤崎「場に慣れるためということで、開幕から2週間ぐらいは出番なかったんだけど、他の選手の麻雀を観てるうちに緊張してきちゃって」

(あんなに追い込まれても飄々としてる藤崎さんでも緊張するのか。Mリーガーしかわからない感覚があるんだろうな)

藤崎「最初中々トップ取れなかったでしょ」

猿川「3着が多かったですね」
(失礼か、余計な一言だったな(笑))

 

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藤崎「うちのチームって、みんなすごい攻めるからそういうのが好きな人がファンに多いわけで、もっと攻めて欲しいとか言われるんだよ。でも本当にチームに勝って欲しいと思ってくれてる意見なわけで、ヤジとかかではないから凄くありがたいことなんですけどね。今までは自分の麻雀が好きな人たちがファンだったけど、チームのファンは違うからね。初トップとるまでは会場にもいきたくなかった(笑)。トップとってからはファンの対応も変わってきて、最初のころのような感じではなくなってきたね。うちのチームはとにかく雰囲気がいいし、スタッフや監督さん、社長さんも含めて親切で楽しくやっています」

猿川「最後に、今さらないとは思うんですが目標とかってありますか?」

藤崎「Mリーグに関しては、何年続けられるかわからないが選手のうちに1回は優勝したい。あと、こないだの鳳凰位でG1タイトル9勝になったから、ここまできたら10勝まではいきたいかな。9勝でもよく獲れたなーって感じだけど、せっかくだからのせたい(笑)。タイトルは3つぐらい獲ってから特に意識はしていないけど、麻雀プロだから強い人たちと戦ったら勝ちたい。その結果がタイトルという感じです」

猿川「お忙しい中ありがとうございました」

藤崎「ありがとうございました」

藤崎さんと親しくなったのは他の先輩方と比べると最近のほうだ。特に理由はなかったが、話をさせていただく機会が少なかった。
色々と話をしているうちに、僕が20代のころだったら、この人に麻雀教わればよかったと思うようになった。
最初の印象はとにかく麻雀に厳しいという感じだった。いつもは、くだらないことを言って場を和ませているが。

そしてここ数年の印象は、プロ意識が異常に高い。連盟一と言っても過言ではないと思う。そこが一番引かれたところでもある。
そんな、藤崎先輩を一ファンとしてこれからも応援していきたいと思います。

 

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