プロ雀士インタビュー

第146回:プロ雀士インタビュー 魚谷 侑未  インタビュアー:藤井 すみれ

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モンド王座決定戦。
前回優勝者と女流モンド杯・モンド杯・名人戦の各優勝者で年間チャンピオンを決定するものである。

先日、魚谷侑未はディフェンディングでこのモンド王座に出場、見事連覇を成し遂げる事に成功した。

今年はご存知の通り「ゆーみんの現代麻雀が最速で強くなる本」も出版。
プロデビューわずか8年でここまで登りつめた人がかつていたであろうか?
ゆーみんは何でそんなに強いんだろう?何か本に書いてない秘密とかあるんじゃないの?

今回は少しでも強くなりたい皆さんの為にも、取材してきちゃいました!
もちろんモンド王座のお話もたくさん聞かせてもらっちゃいます♪

インタビュアーは、実は一番強さを盗みたい!?
同じく8年目の藤井すみれが務めます(*´ω`*)

 

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魚谷「ちみー(注・藤井のこと)からインタビュー受けるのは女流桜花を初めて獲った時以来だね!」

藤井「確かに!2011年だから、5年前かぁ…時が経つのは早いねぇ。」

魚谷「なんかなつかしいねー♪」

藤井「そしてモンド王座連覇おめでとう!さっき見たけど安定感抜群の素晴らしい内容だったよー。」

魚谷「ありがとー!」

魚谷はコーン茶、私は緑茶で乾杯です。
ちなみに魚谷、お酒はイケるのですが、インタビューにしっかり答えるために控えてくれているのでしょう。

下戸の私に合わせてくれている可能性もあります。
この真面目さ、順応力が麻雀に活きているに違いありません。き、きっとね。

藤井「1回戦目は皆にツモられて、しかも一発ツモばっかり!苦しい展開だったね。」

魚谷「そうだね?。だからラス抜けできただけでもよかったよ。」

藤井「2回戦目はやっとアガれるようになってきたけど、うすい待ちになる事が多かったね。そういうのは気にする?」

魚谷「うーん、片方が全部切れちゃったりしたら少し苦しいけど、そうじゃなければ気にしないかな。」

ポジティブである。
このモンド王座決4四回戦の間も、ひたむきに魚谷は麻雀と向き合っていた。

2回戦東4局の2,600オール、南1局の8,000は上昇気流を予感させるようなアガりであった。

そして2回戦南2局、仕掛けて一四萬待ちのテンパイを入れていた魚谷。茅森からリーチをうけ、1枚プッシュ!→これはきついか、という牌できっちりオリ。
押し引きが絶妙すぎる。難しい事をさも簡単なようにやってみせてくれるのだ。

オーラスも親でタンピンドラドラをヤミテン。
トップ目であり、普通の判断だが、魚谷のヤミテン…なんだか新鮮である。

藤井「結局これはアガれなかったけど、そのままトップ。もう少し素点が欲しかった気持ちもある?」

魚谷「ううん!それよりは、トップをとれてほっとしたよ。」

2回戦を終えてトータルトップ目へ。
1・2回戦は北家スタートだったけど、3回戦目は起家!

藤井「見ている方もそうかもしれないんだけど、ゆーみんが東家だと、なんだかワクワクするんだよね。何かを起こしてくれそう、というか(笑)」

魚谷「そうなの?ありがとう。いつも東1局が緊張するから、起家は苦手なんだけどね。」

藤井「最初だけ緊張するって言ってたねー。でもこの時は3回戦目だから、もう大丈夫?」

魚谷「うん。あとは追いかける立場の時は不利だから起家は嫌かな。」

藤井「なるほどなるほど?。(メモメモ)」

でももしそうなっても、魚谷なら何とかしてくれそうである。
この安心感は何だろう?

藤井「ところで…3着・トップ・トップで3回終わって放銃ゼロなんだけど、ちょっとすごくないですか?」

魚谷「えっ!?ホント?それは気付かなかったなー。」

集中していると案外そんなものなのだろう。
勝負所でのメリハリのある押し引きは3回戦でも見られた。

藤井「そして、オーラスは井出プロに怒濤の6本場まで連荘されて苦しかったね。」

魚谷「そうだねー。他の2人も私に連勝されたくないし、自分がトップのままで終わるには、自分で終わらせるしかないって思ってた。」

井出の猛攻のなか、魚谷も攻め続ける。ついに6本場で3回戦は決着する。

 

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藤井「このカン六索ソーをツモった時、どんな気持ちだった?」

魚谷「これで優勝が大きく近づいたと思ったよ。でもまだ通過点だからね。あと1回しっかり打とうって。」

そして運命の4回戦。

魚谷「全局アガリにいこうと思ってた。3回戦目からすでにそうだったけど、全員狙ってくるから安く誰かの親が流れる事が無いのは分かってたしね。」

藤井「その言葉通り、仕掛けて2局アガリきってるのがすごい。東4局の自分の親もカン材もカンせず、両面テンパイもリーチせず。徹底してるよね?!」

魚谷「親番はいらないと思ってたから。私カン大好きなのにね(笑)」

藤井「大人になっちゃったのね(笑)でも南入して、近藤プロの親番では果敢にリーチしたんだよね。このリーチは何故?」

魚谷「やっぱり、近藤さんがポイント2番手だから。このライバルの親を落とせたら、かなり優勝が見えてくる。その為には多少のリスクは覚悟して行かないとね。」

藤井「なるほど。この局は放銃しちゃったけど、テーマがしっかりしてるねぇ。そして1本場では今度は親の安全牌を持ってしっかりディフェンス。」

魚谷「そうだね。無理しすぎないで、バランスよく打てたと思う。」

この後、近藤、井出、茅森の親が1人ずつ落ちていき、ついにオーラス。
残りツモ1回で倍満条件の近藤からリーチが入る!

が…流局。
魚谷の連覇となった。

魚谷「やっぱりリーチを受けた瞬間はすごく怖くて。祈るしかできないんだよね。神様!って。」

藤井「でもきっとそれは、4回精一杯打ったからの神頼みだねぇ。」

魚谷「とことん理で打つって言われるけど、もちろん感情もあるし、神様にお願いもするからね(笑)」

今回でモンド王座に4回出場、3回目の優勝。
リーチ、仕掛け、ヤミテン、押し引き、と魚谷のバランスの良さが非常に出ていた対局であった。
ファンがますます増えたことであろう。
てゆーかかっこいいじゃないかこのやろー!

 

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藤井「じゃあファンの方にメッセージをお願いします!」

魚谷「いつも応援して下さってありがとうございます。私にとってやっぱりモンド、モンド王座は特別で、育てて頂いたと思っています。だからこそ出場していたいし、勝ちたい。1回目に優勝できた時は、正直内容もあまりよくなくてツイてた部分が大きいけど、今回は自分でも満足のいく麻雀が打てて、それで優勝できたので本当に嬉しいです。」

藤井「きっと初優勝の時から見て下さっている方も感慨深いだろうね。」

魚谷「そして、これからはもっとAルールも鍛えて、上のリーグで戦えるようにしていきたいです。やっぱりまだまだだなぁ…と思う事が多いので…」

藤井「な、なんたる向上心!おそろしい子…!!…ところで、モンド王座のお話以外に、プライベートも聞きたいんだけどいいかしら?」

魚谷「はい、どうぞ(*^_^*)」

藤井「ズバリ!結婚願望はありますか?」

魚谷「うん!早くしたいよー。いい人がいれば(笑)」

藤井「おぉ?!という事は子供も欲しい?」

魚谷「そこが、なんか迷ってるんだよね。やっぱり麻雀は続けていきたいから。和久津さんに『ゆーみんは子供産んだら麻雀弱くなるよ』って言われて、自分でもそうだろうなーと思ってたから、他の人の視点からも同じように言われて結構葛藤してる。私は麻雀打つために生まれて来たと思ってるのに、麻雀打つのを辞める事になっても良いのかって。それなら女性としての幸せは捨てて麻雀に一生打ち込むべきなんじゃないかって。元々2つの事を器用に出来るタイプじゃないし、子供が産まれたら子供の事で一生懸命になりそうだし…。女は難しいね…。」

藤井「プレイヤーのゆーみんと、女性としてのゆーみんの葛藤だね。もちろんゆーみんファンの方で結婚してほしくない!って方がたくさんいると思いますが…」

魚谷「そんな人いるかなぁ?(笑)」

藤井「いるいる!ファンのみなさん、ここ1?2年がチャンスですよ!(笑)」

さて、そろそろ聞いておかなければなるまい。

藤井「ゆーみんさぁ…何か隠してるでしょ?」

魚谷「え?何のこと?」

藤井「隠しても無駄だよ!あの本に書いてない秘密のトレーニングとか、決勝の前は実は何かを断つとか、勝ちたい時に使う黒魔術とかさ!みんな知りたがってるんだからもったいぶらないで教えてよ♪」

魚谷「ちょっ!落ち着いてちみー!うーん、対局の前日に自分の対局映像見るとかかなぁ?」

藤井「ふんふん…なかなかのナルシストぶりだね…あとは?」

魚谷「マッサージ行ったり、ネイルしたり、まつエクしたり…」

藤井「それでそれで?」

魚谷「…そんな感じだよ?」

藤井「…それだけー?やだやだ!もっとゆーみんの秘密教えてくれなきゃ帰らないんだからっ!!」

魚谷「(めんどくさい奴だな…)あ!今日はもうロン2のゲストもあるし、麻雀格闘倶楽部も打ちたいし、このへんで帰るね!」

………風のように去ってしまった。

きっと魚谷には、まだ誰にも言っていない秘密や、隠している秘策があるに違いない。
この先も、テレビ対局で、リーグ戦で、麻雀格闘倶楽部やロン2で、どうか魚谷の麻雀に刮目して頂きたい。

いつか、私もその秘密を暴いてみせる!

 

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