プロ雀士インタビュー

第167回:プロ雀士インタビュー 藤崎 智  インタビュアー:小川 尚哉

この面白い陽気なオジサマ(失礼)とは、もう10年以上もの付き合いになろうか。
その間、オジサマの怒った姿を私は一度も見たことがない。
私のことを毎回、「お花畑」とからかって、笑いをとってくるが、私は、「お花畑代表はあなたですからね。」と心の中で常に思っているのだ。

8~9年程前、お花畑代表と北関東プロアマリーグの決勝戦を戦ったことがあった。
ヤンチャで粋がっていて生意気な小僧の私にも、とにかく優しくて・・・。

その日が代表とたくさん話しをさせて頂いた、初めての日だったように思う。

結果は、、、私の優勝でしたが、なにか・・・?(笑)

それ以来、ちょくちょくお食事などをご一緒させて頂いているが、代表はお酒を飲まない、私はひたすらガブガブ飲む・・・。
それでも、私はお金を払ったことは一度もないはずだ。
実は?後輩想いの凄いオジサマなのである。
いつも会計を忍者のように済ませているんだよなぁ。
マネしたいな・・・。

今回は十段戦優勝インタビューということであるが、柴田吉和プロが、とても詳しく素晴らしい観戦記を書いて下さっているので、内容に関しては、深く掘り下げるつもりはありません。

・第34期十段戦決勝 初日観戦記
・第34期十段戦決勝 二日目観戦記
・第34期十段戦決勝 最終日観戦記

十段戦初日の終わった後と、十段戦二日目の前夜にも、実は私、忍者様と食事をさせてもらっていたのである。
皆さん度肝を抜かれたはずの、初日のドラ八筒切りの真相を初めて聞いたのも私だろうか?

このインタビューの前の日も、食事をご馳走になり、そしてついにインタビューの日を迎えた。

 

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「はい、藤崎さんインタビュー始めます。とにかく面白いことを勝手にしゃべり続けてください!w
ボイスレコーダーの容量が322時間なんで、322時間しゃべっていいですよ!w」

「いやいや、おれは良いけど、尚哉がテープ起こし大変でしょ。何日かかると思ってんの??」

こんなじゃれあいは日常茶飯事である。

「はい、じゃあ十段戦の総括お願いします。」

「ずーいぶん、ザックリした質問だな!このインタビュー大丈夫?wまあ、四暗刻だけだよね。ずっと、調子自体は良くないなーと思ってたもん。苦しくなった時にアレがたまたま出ただけだよ。」

「確かに、一瞬逆転されてましたもんね?あの四暗刻で逆に一撃で80ポイント差つけましたからね!」

「うん、ただね、とにかく展開が向いてたよね。追ってくる人が、連続トップとかにならないで、トップのあとは沈むみたいな感じだったでしょ?ツイてたよね。」

「優勝を意識した瞬間はあります?」

「ずっとしてたよ!wだって2連勝スタートだったから!!w良くなって、一気に伸ばしてやろうと思ってやってたんだけど、伸ばせなかった。だから、2連勝スタートとはいえ、しっくりはきてなかったよね。ただ、瀬戸熊の調子が悪かったからね・・」

そう言えば、初日の後の食事の時も、

「マークは瀬戸熊だよ。」

と言っていたのを思い出した。あれだけのポイント差があるにも関わらずだ。

「だって、どっかでいつか必ず飛んでくるじゃん??!だから、気持ちの面での瀬戸熊への意識ってのは常にあるよね。」

ふむふむ。

「では、ファンの皆さんが聞きたいと思うので、ライバル関係と言われている瀬戸熊さんについてお願いします!」

「そう言ってもらえるのは嬉しいけど、ぶっちゃけ実績が違うんで、あんまりライバルだとは思ってないよ。ただ、瀬戸熊が一番連盟で強いと思ってるし、あいつに勝つために麻雀の勉強するわけだから、鳳凰位とか今回の十段位取れたのも瀬戸熊のおかげだよね!」

ふむふむ。

「では、今回の十段戦の対戦相手の印象などを聞かせてください」

「瀬戸熊と仁平に関しては、リーグ戦とかで何回もやってるんで、手の内も知ってるし特別なアレはないよね。上田君は、去年新人であれだけ活躍したじゃん?
『1年目でこの成績は立派なんだから、来年またこの舞台に戻って来なさい』ってうっかり打ち上げの席で言っちゃったのよ。そしたら、本気にしちゃってwまた決勝戦まできて、またおれが勝つとwだから十段戦俺にしか負けたことないんだよねwwもう来年勝ったらめちゃカッコイイしスゲーじゃん?応援はしてるよww青山さんは、女流が過去十段位獲った人はいないし、対局者じゃなかったらおれは青山さんを応援してただろうね。今の女流の時代っていうの?麻雀界にとっても盛り上がるし、すごい良いことだとおもうんだけど、流石に負けた人間として名を残すのは嫌だよね。ただ、近いうち必ず女流は何かしら勝つとは思ってるよ。」

面白い話を聞きながらぼくのお酒はすすむ、忍者様はアイスコーヒー。

 

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道中で必ず、それネタにできんやろ!って話をぶっこんでくるんだが。
とにかくインタビューってことを忘れて楽しんでしまった!
ボイスレコーダーから流れてくる音は、私の笑い声で溢れている。

「防衛戦ということでしたが、どのような気持ちでしたか?」

「1回防衛戦の時、5位敗退したことがあるんだけど、おれ十段戦決勝8回やってて、5位敗退したのは、その1回だけなのよ。だから、意外と嫌な予感はあったよ・・でも2連勝スタートできたから、もう5位敗退はないなと思ったよね。」

「なるほど。では、応援されていたファンに向けてお願いします」

「なんかねこの世界に入って、自分でも改めて気づくんだけど、勝った本人よりもファンの方が喜んでくれて盛り上がってくれるっていうのが、何より嬉しいよね。自分は試合終わったあとなんて『ふー勝ったー疲れたー』くらいにしか思わないもんw」

そんなもん???

「ハイ次、若手に向けてお願いします!」

「人数多いから大変だと思うんですよ。おれは1年目で十段戦決勝にいって、3年目で勝つ訳なんだけど。全体の参加人数100人もいかない時代だったから、全然時代が違うよね。今は、時間はかかるかもしれないけど、力があれば必ず上にあがってくるし、タイトル戦も色々出続ければ、チャンスは必ずやってくるから!で、優勝できるかは、もう麻雀強いか強くないの話じゃなくて、『もってるか、もってないか』でしょ!!運も大事な競技だから、無責任だけど、頑張ってくださいとしか言えないよね」

「は、はい。では、普段の対局の心構えなどを聞きたいのですが?・・」

「う~ん、特にないなあ・・・。自然体かな?勝ったら俺えらいじゃん?みたいなかんじ。どっちかというとポジティブ??」

どっちかといわなくてもポジティブである。
だんだんぐだってきたな(わたしが・・・)。

「趣味はなんすか?」

「う~ん、特にないな~・・・あっ、この歳になるとねえ、若い時は全然興味なかったんだけど、シーズンオフに海外に行くとか!!!この歳になるとねえ、元気で体動くうちに色々なところに行っておきたいって思うようになった。だって、いつ動けなくなるかわからないじゃない・・」

忍者様の流行語は「この歳になるとねえ」で決定である。

「好きな食べ物なんですか?」

「う~ん、あんまり好き嫌いはないなあ・・ただ知っての通り、辛いものは食えない。」

ぼくは辛いの大好き。

「はい。最後。好きな女性のタイプは!!?」

「う~ん、日本人すか・・・??そーいや、昔『日本人』って答えてカットされたことがあったな。今回もどーせ使えないでしょ?w」

「wとりあえず、このへんにしときましょう・お店も閉店ですし・・今日もご馳走様でした」

常に陽気なオジサマである

「原稿料出たら尚哉おごれよ!!」

「はーい!!」

どうせ、またおごってくれるんだろうな。

我々若手(私はもう完全に中堅か?)にとって高い壁であり、目標であり続けてほしいと思う。

常に面白くて、

優しくて・・・

藤崎さん上で待っていてくださいね!
表現の仕方は難しいけど、またおごってください。

 

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