プロ雀士インタビュー

第176回:プロ雀士インタビュー 仲田 加南  インタビュアー:白銀 紗希

2017年12月23日

連盟女流プロの頂点を決める戦い、女流桜花――
その頂点に輝いたのは、連覇を果たした仲田加南プロ。
4期、11期に続く3度目の獲得は、女流桜花史上初の快挙である。

そんな史上初の女流プロ、仲田プロのインタビューを務めるのは、28期後期生の白銀紗希です。初めてのインタビューで拙い部分もあると思いますが、最後までお付き合い頂けたら嬉しいです。よろしくお願いします!

2018年1月 都内某所

この日は仲田加南プロ、古谷知美プロ、中山奈々美プロ、高田麻衣子プロと「加南さん祝勝会&ともちん(古谷プロ)バースデー」という名の女子会の日。
初めてのインタビューでドキドキしていたが、気さくな先輩たちに緊張をほぐしてもらいつつ、インタビューを開始した。

白銀「加南さん、女流桜花連覇おめでとうございます!」

仲田「ありがとう!」

白銀「早速インタビューをしたいのですが…初めてなのでよろしくお願いします!」

仲田「こちらこそ、よろしくね!なんでもじゃんじゃん聞いて!」

 

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三度目の戴冠

 

白銀「では…今回女流桜花史上初の3度目の戴冠となったわけですが、優勝した時の気持ちに違いはありましたか?」

仲田「嬉しいのは、断然今回。達成感は前回の方が大きいかな。前回は勝ちたい気持ちがすごくあって。打っていて辛かった。」

白銀「辛かった?」

仲田「そう。勝ちたすぎて。でも嬉しさは、今回の方が大きいよ。それは、前回の女流桜花を見てくれて、応援してくれる人も増えて、その人たちの応援に応えられた分の嬉しさなんだよね。」

白銀「前回の女流桜花の前に、4期の女流桜花を獲った時の気持ちを書いているブログを読んだんですよ。そのブログ読んだ時に、なんだかぐっときて。」

仲田「二階堂姉妹と和泉とやった時ね。まだ放送対局じゃない時。私だけ完全に人気がなくて。みんな敵に感じた。だからあの時は、怖かった。悪口言われてるだろうと思ったし。でも今は、そんなのもあんまり気にならなくなったかな。もちろん悪口は嫌だけど、そうやって言ってくれるのも名誉なことだと思うし。私に興味持ってくれなくなる方が悲しいし、今はキャラクター的に良いポジションももらえてるからね(笑)」

白銀「麻雀ラリアット的な?(笑)」

仲田「そう(笑)悪役でも何でもいいし!だから、応援してくれてる人の分、4期よりも11期、11期よりも12期の方が嬉しいね。応援してくれてる人をがっかりさせるのが一番ヤダ。勝てなかった悔しさより期待してくれたのにごめんなさいっていう辛さがあるから、今年はとにかくほっとしたなー。あーよかった!って。」

白銀「応援してくれる人が増えるにつれて、嬉しさも倍々なんですね!」

 

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第12期女流桜花決定戦

 

白銀「初日と2日目は内田プロをマークしていたとブログに書いていましたが。」

仲田「初日、2日目だけじゃないね。ずっと内田さん。タイプ的に一番爆発が怖かった。ポイントが離れていたとしても、一撃で決められそうで。だから内田さんの得意な場に持ち込まないようにずっとマークしてた。」

白銀「加南さんの中で、初日のターニングポイントだったって局はどこですか?」

仲田「吾妻さんの観戦記にも書いてたけど、中をツモった1,300オール。これがすごく感触が良くて。あんな手だけどオリる気はさらさらなかった。あそこで内田さんとのめくり合いに勝てたから優勝できたと思うくらい。もし負けていたら、優勝していなかったと思う。」

白銀「2日目と最終日はどこかありますか?」

仲田「最終日の10回戦で、ラスから浮きまでいけたところだね。」

白銀「あのオーラスは私が対局者だったらぐったりしちゃいます…」

仲田「10回戦は、みんなが少し私のことを甘やかしたかなーと思うよ。必ず私をラスにしたまま終わらせなきゃいけなかった。私は最終戦をトータルトップで迎えたかったから、もし10回戦で沈んでいたら、11回戦のどこかで多少無理をしてでも勝負をかけたかもしれないしね。」

決定戦での戦い方、気持ちについて加南さんに質問をしていて、思ったことがある。
それは…メンタルが強い!!!ということだ。豆腐メンタルの私とは比べ物にならないくらい。
ということで、私もメンタル強者になるために、加南さんに質問してみた。

白銀「加南さんってめちゃくちゃメンタル強いですよね。」

仲田「うん!強いよー心臓に毛が生えてるんじゃないかってくらい!」

白銀「なんでそんなにメンタルが強いんですか?!」

仲田「たぶん、考え方が他の人と違うんだよね。私はいつも、他の人が何をされたら嫌か考えて麻雀してるよ(笑)例えば、放銃は自分も痛いけど、アガれてない他の2人も痛いの。だから他の人が嫌がるのであれば、放銃も1つの戦略だと思ってる。」

白銀「思ったことなかった…」

仲田「もちろんルールの範囲内でだけど、他の人が嫌がることをするってすごく性格悪く聞こえるでしょ(笑)」

白銀「いや、おもしろいです!」

仲田「今は嫌なことをするって考えでやっているけれど、同じ手は何度も使えないと思う。毎回同じことをやって勝てるゲームじゃないから、毎年変化したいし、変化することが当たり前だと思ってる。そのためにいっぱい麻雀を見て、いっぱい麻雀を打つの。これが私の雀風っていうのは一生言いたくない。」

白銀「一生言いたくない?」

仲田「そう。ずっと麻雀は終わらない。」

白銀「ずっと進化して?」

仲田「麻雀は対人ゲームだから決めちゃいけないものだと思う。やっぱりこういう風に勝ちたいとかっていう気持ちはあるけど、私は結果の方が嬉しいから、勝てるためだったら何でもやろうかなって。もしかしたら10年後はまた違う考え方をしているかもしれないけど、今はまだ結果だけを求めたいね。」

 

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祝!結婚!

 

白銀「女流桜花連覇もそうですが、他にもおめでたいことが!加南さん、ご結婚おめでとうございます!!!結婚してから変わったことってありますか?」

仲田「んー。特にないね。旦那も麻雀プロなんだけど、結果が全然出ない時期があって。そしたら一緒にいることがプラスになってないんだと思って別れようと思ったこともあるよ。」

白銀「えー!!!」

仲田「本当に麻雀のための関係だから、どっちかが麻雀を諦めることになったらたぶん成り立たない。」

白銀「麻雀がないと成り立たないって…憧れの結婚と違う…」

仲田「そうそう(笑)お互いがサボらないように見張るみたいな(笑)プライベートを麻雀以外で持つこともほとんどないし、寝ても覚めても麻雀。麻雀第一!私は命がけで麻雀やっているから。変わってる関係だとは思うけど、桜花獲れたのも彼のおかげもあるんだよね。毎回一緒に見て、チェックしてくれて、厳しいことも言ってくれて。」

白銀「結婚の決め手も、麻雀のため。と…」

仲田「一緒に頑張る上で、プラスになるなら一緒にいたくて。旦那も5年ぶりくらいに昇級して、私も最後に桜花連覇できて、いちばん良い年かなータイミングかなと思って結婚したんだよね。桜花連覇できなかったら、結婚してなかったと思うもん(笑)」

 

今後の抱負

 

白銀「次の女流桜花は…3連覇ですね!」

仲田「そう!史上初の3連覇!」

白銀「3回優勝は加南さんが初めてで、史上初の3連覇も目指すと!」

仲田「とりあえず6連覇するつもりでいるんで!」

白銀「6?!」

仲田「6連覇目指します!あと、桜花連覇ももちろんだけど、桜花しか勝てないじゃんって言われるのが嫌だから。私が女流桜花で何にも勝たないと、桜花の価値も上がらないと思うから。他のところでも結果を出したいね。桜花のために、桜花以外でも結果を出せるように、これからもっともっと頑張るよ!」

女流桜花史上初の3度目の戴冠。
今回インタビューをして、ここには書ききれないほどの麻雀に対する加南さんの想いをたくさん聞くことができた。
勝つために毎日麻雀のことを考えて、プライベートも何もかもが麻雀第一。
そんな加南さんが、これからどう進化をして、どう強くなっていくのか…
ますます目が離せない。

最後に改めて、加南さん、女流桜花連覇&ご結婚おめでとうございます!!!

 

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