第213回:プロ雀士インタビュー 川原舞子 インタビュアー:小笠原奈央
2021年02月06日
1989年8月29日生まれ 愛知県出身のA型。
趣味は麻雀番組視聴と猫!ゲーム!
東京理科大学卒と言う高学歴の持ち主。
大学と並行しながら2012年日本プロ麻雀連盟に28期生として入会。
女流勉強会にも通いながら日々訓練を重ねる。
雀風はメンゼン派の打点よりであり、相手の動向を尊重する守備よりの打ち手(表情豊か)。
リーグ戦の成績は奮わずも、今期女流桜花Aリーグに昇級。
これはそんな彼女のシンデレラストーリーである。
第15期女流桜花
川原舞子
舞ちゃんおめでとうー!
今期女流桜花に昇級しての初決勝!そして初優勝まで成し遂げて!女流桜花で魚谷さん以来の快挙だってよ。最高だぞー
川原『めちゃくちゃ嬉しいけど、わたしは今まであんまり表舞台に立つ機会なかったから、魚谷さんというスーパースター以来というのはプレッシャーすごいね笑』
当時はさ、初Aリーグ対局めっちゃ緊張するね
実況、選手で出来たら嬉しいね♡とか話してて、結局それは叶わなかったけど、華々しすぎるデビュー戦を飾ってさ。
んんん!テンパイ取らず?!
嶺上重ね!こ、こ、これは
一発ツモーー!!
強い意志から成し遂げた親の四暗刻。見事な16,000オール!
私、家のモニターの前で1人飛び跳ねて叫んでたもんね(笑)
川原『9,600テンパイ外すの?!ってすごい賛否両論あったけど、たまたまうまくいってよかった。公式ルールで9,600は超勝負手だから、失敗してたら批判だけで終わってたかもだし。挑戦者って意識が強くて、役満狙えるときに狙っとかないと負けちゃう!って気持ちでした!』
苦しい節もありながらプレーオフを迎えて、連覇経験の吾妻さん、ポイント上位の白銀さんを薙ぎ倒して決勝の席を自ら勝ち取っての進出だったよね。
私は舞ちゃんが決勝に残ったことが素直に嬉しくて見るのがもっと楽しみだなーって思ったよ。
プレッシャーもあったと思うけど、その時の気持ち今でも覚えてる?
川原『決勝に残れたのは、プレーオフ後半の卓に入れた事や、前半卓の展開、自分の勝ち上がり条件がクリアできた事、何から何まですごくついてるなぁって思ってた』
いざ初の決勝初日。戦ってみて感じたことは?
川原『初日を終えて、とにかく緊張が凄かった。麻雀でこんなに緊張することあるのか…ってくらい!そんな中で2番手で終えられたのはホッとした』
この凄いメンバーの中、初の決勝の舞台で緊張感も感じさせない、いつもの舞ちゃんらしい堂々の戦いぶりであった
2日目に入ると追い上げて首位に立つ
川原『思い出に残ってるのは、6回戦目のオーラスかなぁ。かなさんに結構離されちゃってきついなぁって思ってたところに自分の連荘で追い上げることが出来て、あれがきっかけで2日目首位に立てたかなぁと』
まずは、なんとも美しい高めリャンペーコーでのリーチ。
そこに首位の加南さんがテンパイを入れての打。
11,600点の直撃となる。
その後も高め三色でリーチ。
ツモって首位!
まだまだ誰が優勝を勝ち取るか分からない最終日に。
実は、最終日の調整セットをした時に、舞ちゃんが『難しい事は考えないで今自分にできることをやってくる』って言っていて、それって凄い事だなって思ったの。
私とかは、こういう時どうすれば!とか、こうなったらどうしよう!って今更ごちゃごちゃ考えちゃって…怖くて怖くて急に詰め込もうとしてしまう。それがプラスに出ることはなかなかない…
舞ちゃんは宣言通り最終日も、どんと構えて余計なことは考えずに戦っていた。
私の好きな一局。
まだリードはしているが追い上げられての接戦!
加南さんのホンイツ仕掛けに、かなり押しづらい局面。
字牌ピンズを全て押しきっての1人テンパイ。
普段の舞ちゃんを見ているからこそ、苦しいだろうな。オリたくなるよな…と思うと、その戦っている姿に胸が熱くなった
川原『最終戦のかなさんの追い上げが強くて怖くて、終わるまで優勝を感じた時はなかった!最終戦が本当に苦しくて、終わった…よかった…って思いました。やり切った感と疲れで魂抜けてたw』
同期で入会して早10年。
女流勉強会で共に学んできた。
結果が出なかったり色々な理由で辞めていく人達もいながら、もがきながらも今までやってきた。
舞ちゃんは1つ結果を残してAリーグに登りつめて、決勝まで駒を進めた。
決勝では何気ない言葉に、なにくそ!見てろ!って事もあったかもしれない。
それでも最後まで筋を通して、戦っていた。
私は私。焦らない。やってやる。
それが、かっこよかった。
最後は4人ノーテンの流局で第15期女流桜花の幕が閉じる。
優勝 川原舞子
優勝した瞬間、誰の顔が浮かんだ?
川原『旦那の古橋、ずっと勉強会で麻雀を教えてもらってるヒロさん(山田浩之)と滝沢さん、道場で見てるって言ってくれた奈央ちゃんとか、応援してくれたみんな!本当に感謝しています!
インタビューで泣きそうだったけど、もらい泣きしそうになった部谷さんが茶化したから泣けませんでした 笑』
(笑)
私も優勝の瞬間、込み上げる思いを堪えていたら…
道場に出勤していた齋藤麻衣子プロが私の元に駆けつけてくれて嬉しさをフルに、
齋藤『優勝した!泣ける!やばい!』
見上げたら、既に麻衣子さんは泣いていた(笑)
ちょっと、もらい泣きした。
2人は同じ職場で昔から付き合いが深い。
そんな麻衣子さんから舞ちゃんへ。
齋藤『舞子本当におめでとう。プロになったばっかりの時、結婚にタイトル…こんな未来がやってくるなんて正直思ってませんでした。プロとしてやっていけるのかさえ不安で、よく泣くし、でも一生懸命にやってきて、桜花獲ったね。本当におめでとう。これからも更なる活躍を同じプロながら応援してるね。』
齋藤『追伸:姉も追いつくから待ってなさいよ。』
そして、大三元として舞ちゃん私と共にチーム結成をした大月れみプロ。
猫友でもあるれみぱんから舞ちゃんへ
大月『舞子ちゃん女流桜花本当におめでとう!!最終局、最後の打牌をして優勝が確定した瞬間にめちゃくちゃめちゃくちゃ嬉しさがこみあげてきて、外出先にいたのに泣いちゃいました!(笑) 本当に強かったし、こんなにワクワクドキドキさせてくれて、一緒に夢を見させてくれてありがとう!! そしていつもありがとう!明るくて面白くて可愛すぎる舞子ちゃんと仲良くなれてとってもHAPPYだよ!またお互い溺愛の猫様についても語ろう!笑 私もいつか女流桜花とれるように頑張る!早くAリーグに行って舞子ちゃんと戦うから待っててください!これからもよろしくね!本当におめでとう!大好き!』
そしてそして、この人のコメントもいただかないと!
プロデューサーとして決勝を見届け、今や最愛の夫でもある古橋崇志プロ
古橋『舞子さん女流桜花獲得おめでとうございます。練習もままならぬこの情勢の中、そして対戦相手も強敵ぞろいの中、見事な優勝でした。普段から勉強会に参加したり、常に対局を見て何かを掴もうとしているその姿勢が優勝に導いたのではないでしょうか。弱気な麻雀が出なければ良いなと思いながら見ていた最終日、あなたの攻めには驚きました。付き合う前も、もっとおしとやかな性格かと思ってました。驚きました(失礼)。 獲ったらゴールじゃない、そこがスタートなんだ(わたしはノンタイトルです)次は女流日本シリーズ獲得、そして女流桜花連覇目指して頑張って下さい!』
ふふふ。愛に溢れたお言葉
旦那さんにリーグも追いついて夫婦対決しよう(笑)
優勝して変わったこと、そして今後の目標はどう?
川原『いきなりWRCのシードをもらえたり、女流日本シリーズに出れたり、圧倒的に活躍の場が増えました。今までどこ行っても挑戦者だったのが、女流桜花としてみたいに言われるのはそわそわして慣れません!今後の目標は麻雀で結果を出すこと!今年1年は勝負の年なので、桜花だけで満足せず色々沢山勝ちたい!はらまいは一発屋ぽいってコメントがあったんだけど、そうならないようにちゃんと実力を認めて貰えるように頑張ります!』
雰囲気が柔らかく、皆から愛される向日葵みたいな子。
でも、芯が通っていて姐御肌の一面も。
料理上手で、気配りができて、お酒は強くないけどノリが良く、可愛いのに飾らない。
そしてなんと言っても隠れボンキュボン。
古橋さんをきっかけに交流が増えて、舞ちゃんの良いところを更にたくさん知る事が出来た。
私の逆プロポーズの相談を舞ちゃんがのってくれて、気付けば同じ日に入籍をして、こうやってインタビューを担当させてもらっている。
こんなに仲良くなれて、凄く幸せです。
同期でもある舞ちゃんが優勝をして、少し焦りとか悔しさがあっても良いはずなのに、嬉しい!お祝いしたい!その気持ちだけが溢れていました。
それは舞ちゃんの人柄や、努力、決勝での闘志をたくさん見せてもらったからなんだと思います。
舞ちゃんのシンデレラストーリーはまだ始まったばかり。
これからも、その魅力で多くの人を魅了し、夫婦で高め合い、麻雀界を盛り上げっていってください。
そんな2人を側で応援したいと思います。
おめでとう。舞ちゃん
君が王者だ!
(インタビュアー:小笠原奈央)
カテゴリ:プロ雀士インタビュー