第243回:プロ雀士インタビュー 廣岡璃奈 インタビュアー:高橋大輔
2022年06月28日
2022年 3月31日に行われた桜蕾戦決勝はプロ2年目の廣岡璃奈が優勝で幕を閉じた。
皆さんこんにちは。静岡支部所属 37期の高橋大輔です。
第3期 桜蕾戦優勝の廣岡璃奈プロにインタビューをさせていただくことになりました。
高橋 『まずは桜蕾戦優勝おめでとうございます!』
廣岡 『ありがとう!』
高橋 『どんな心境で決勝戦に臨みました?』
廣岡 『決勝に残るのは2回目。前回は静岡リーグ(現帝静戦)の決勝で5回戦での敗退。何もできずに敗退したのが本当に悔しくて、今回こそは何かしら爪痕を残したいという気持ちが強かった。』
高橋『決勝戦東1局。初アガリはメンチンでしたね!!』
廣岡『まだ緊張でガチガチの中でのメンチンで心臓バックバクでした(笑)』
高橋『結構切りのところは切る人多そうだな〜と思って見てたんですがどの辺りから染めの意識ありました?』
1回戦 東1局 0本場 親花宮 6巡目
廣岡 ツモ 打
廣岡『切りした時には結構染めを考えていました。ただ染める前にテンパイしたり、ドラをひいたりしたら予定変更するつもりでした。』
高橋『なるほど!では自然に染まればって感じだったんですね!!』
高橋『次局には、ドラ3の12,000。南場の親番では2度先制リーチに追っかけての12,000を決めました。特に嶺上開花でアガった4,000オールなんかはノッてるなぁ〜と感じたのですが。』
廣岡『調子悪くはないかな、という感じでしたね。まだまだポイント的には足りないと思っていたし、油断できる状況ではなかったので慎重に落ち着けと自分に言い聞かせていました。』
高橋『3回戦 南1局 親番で競っている3着目の桜木さんからの先制リーチに対してリーチのみの愚系で追っかけたの結構強気だなって思って。』
廣岡『オリきる自信がなかったのと、親番だったので強気に攻めた結果が良い形になった。この決勝戦において自分が動いた時はいい方向に行くことが多かった。』
高橋『最終戦開始前に2位との差ですら約110ポイント差。どんな心境で最終戦臨みました?』
廣岡『普通に打っていれば捲られないポイント差。油断したら痛い目に合うことは分かっている。親への放銃は避けながらアガれそうな手はアガリにいこうといった感じだった。』
ところが、優勝を目前にした廣岡に試練が襲いかかる。
最終戦
東1局 暗刻のを切っての18,000放銃。
南1局 同じく暗刻の切っての12,000放銃。
高橋『この2つの放銃。相当グラッと来たんじゃない?』
廣岡『親のリーチにはオリるつもりだったからで打った時は多少グラッとは来たけど、ポイント差のおかげでまだ大丈夫だった。で放銃した時は相当焦ったかな。もう生きた心地は全くしなかったよ。』
東4局には国士無双の横移動。
廣岡『一歩間違えれば自分が切っている牌。自身が1シャンテンの段階で切ってロンと言われるのが嫌だった。もう少し巡目が進めば絶対切らなかったけど、数巡でテンパイしたら間違いなく切っていた。次局配牌を取る時には震えが止まらなかったよ。』
開始前100ポイントあった点差はオーラスには倍ツモ条件まで迫られた。油断したわけではないが自身の守備力、メンタルの弱さを再認識できた決勝だったと廣岡は語った。
高橋『桜蕾戦を優勝して変わったことを教えてください。』
廣岡『新ロン2の広報をさせていただいたり、本部の仕事をさせてもらえるようになったことかな。』
『あとは高校女子オープンで優勝した時や、プロ入り後にお世話になった方々から、たくさん祝福の言葉をいただいて・・・、改めてまたここから頑張ろうという気持ちになれたことかな。』
高橋『では最後にこれからの麻雀プロとしての目標を教えてください。』
廣岡『私がまだ高校生の時、実際に麻雀を打てる場所というのはほとんど無かった。そういった場所を作りたい。これは私が麻雀プロを目指した主な理由でもあるので叶えたい。』
廣岡と初めて会ったのは、それこそ高校生の頃で、お互いが”学生麻雀甲子園”という男女混合で学生だけが出られる麻雀大会の予選に出ていた。
際立って所作がキレイで打ち慣れている女の子がいるなぁと記憶していた。
その大会では、お互い負けてしまったものの、翌年女子だけが出場できる高校女子オープンで優勝を果たした。
この頃から”桜蕾戦優勝”の片鱗を見せていたのかもしれない。
最後に、廣岡は”第3期桜蕾戦優勝”と共に女流桜花Aリーグを勝ち取った。
女流桜花のAリーグには名だたる大先輩達が待ち構えている。
今日このインタビューは女流桜花第2節の対局前にさせていただいたのだが彼女の目にはメラメラと燃える炎のようなものを感じた。
彼女はGPC(グッドプレイヤーズクラブ)神奈川の運営にも携わっており、これから”廣岡璃奈”という名は麻雀界に瞬く間に広がっていくだろう。
これからの彼女の活躍に乞うご期待!!
カテゴリ:プロ雀士インタビュー