戦術の系譜18 内川 幸太郎
2021年04月26日
今回は戦術を上手く活用出来るように一局一局でのテーマの確認をしたいと思います。
僕が実戦で打っている時もテーマは常に持っています。
半荘戦ではさまざまな攻守の場面がありますが、意識をした方が良いこととして麻雀は先行有利、一局面においても先手有利のゲームです。
序盤に点数を持つ事は攻守において選択肢が増え有利にゲームを進められるからです。
点数移動によりテーマは変わりますが、今回は基本的な考え方を書き進めていきます。
なお今回の話でのルールはMリーグルール。
25,000点持ち30,000点返しの順位点は10-30です。
局面に合わせた手作り。
○東場はリスクを背負ってアグレッシブに
○南場は順位合わせと目標再設定
○オーラスの重要性
手牌の価値を高める。
○打点を求めた手作り
○安全度を高めたお休み回
○スピード優先の手作り
ざっくりこのくらいのテーマリストとします。
ひとつひとつのテーマにも相応の練習が必要になると思いますが、これらを考え出来るようになったら相当実力がアップすると思います。
まずはシステムの確認です。
Mリーグルールはトップオカがあるルールのため、1位を取る事に非常に大きな価値があります。
30戦やってトップ15回、ラス15回のAさんと、2着15回、3着15回のBさん。
かなり極端な例ですが、2人とも平均順位は2.5になります。
トップオカが入る分素点の差を別として、AさんとBさんでは300ポイントの差がつく事になります。
なので、トップを取ることに比重を置いた戦術を用いたいです。
では現状の僕のスタイルを書き綴ってみます。
チーム順位が変動していないフラットな開幕戦だと思ってください。
まずは東場、特に親番は加点が子方に比べて1.5倍ですから攻撃的に進めたいです。
何家に座ったかにもよりますが、親番は最大級のリスクを背負える局だと思っています。
ツモられた時に半分払わなければいけないデメリットがありますが、子方時に比べツモられと放銃した時の減点比率も低くなっているので攻めやすくなります。
先述した通り先手を取りたいので、鳴きを駆使して進めるのかリーチ手順で進めるのか早めに手の進行を決めていきたいところです。
次に東場の子方ですが、打ち方は非常にバランスが難しいです。
西家や北家での後半の親番であればコツコツやる事もありますが、基本は大物手を狙いその半荘の決まり手になるような打点のある手作りをします。
東家スタートの東2局以降の子方なら尚更そうなります。
もちろん全ては手牌次第になるのですが、まずは打点、それが叶わなければ捌き、もしくはお休み回と妥協していきます。
捌きやお休み回の設定にしてもやるべき事は沢山ありますが、大切なのは欲にかられずキチンと設定したテーマを遂行する方が良い結果が出やすいと思っています。
後半戦の南場でのテーマで考えるべき事は残り局数との逆算です。
点数が動いていますから一概には言えませんが、逃げ切り態勢に入るのか、逆転を狙うのか、はたまたマイナスを受け入れこれ以上の失点を回避する考えも必要です。
南場の親が落ちてしまえばその半荘でやる事がかなりはっきりすると思います。
あと何点失ってもトップで終えられるのか、または何点あれば逆転出来るのかの目安をたてて進めると良いです。
そこがはっきりするとオーラスを別としてあと何局アガリが必要か分かります。
起親スタートとして南2局だとしたら、逆転可能点数は24,000点差(残り局数×8,000点、Mリーグルール)ならギリギリのラインと勝又さんが言っていました笑
ただトップと2着の順位点差の40,000点分と同様に、2着と4着の差も40,000点分ありますので、目標を2着に設定する事も多いにあります。
麻雀を打っていて一番盛り上がる場面、オーラス。
オーラスはゴールです。
ハナの差でも先にゴールすれば、大きなボーナスポイント(オカ)が貰えるので、それはそれは生き死にをかけて戦わなければなりません。
稀に展開でのトップもありますが、ほとんどがオーラスにアガった人がトップになるケースが多いです。
現状トップ目であれば、スピード最優先の手作りをするのがベストです。
2着との点数差に余裕があり、2着を狙っている人がいれば道中のアシストや最悪放銃まで世話してあげても良いと思います。
とはいえ、あくまでも自力に勝るものはありませんので、最速のアガリを目指しつつそれが厳しければの次善策としての認識で良いと思います。
いつもいつも幸運に恵まれるわけではなく、厳しい戦いの方が多いと思います。
時にはラスを受け入れ、それ以上に失点を増やさない、素点の回復をするだけのラス確定、3着確定のアガリも必要です。
そういう局面が今後何回も訪れますから、その度にアガれる満貫を不意にしてしまっては累計何万点損するか分からないですからね。
かなりお堅い数字が沢山出てくる文で、初心者の方には分かり難かった点もあるかと思いますが、麻雀はどうしても数字と睨めっこしなければならないゲームです。
やるだけでも楽しい麻雀が、勝つ事の楽しさを増やすためにも、少し点数を意識することを考えてみてください。
皆さんがテーマを設けてゲームをプレイし、トップを量産出来るようになれることを祈って筆を置きたいと思います。
全3回に渡り拙い文章にお付き合いいただきありがとうございました。
カテゴリ:戦術の系譜